研究課題/領域番号 |
20H02032
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
きゅう 建輝 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (40244511)
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研究分担者 |
境 英一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (70581289)
金澤 伸浩 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (40315619)
張 国宏 秋田県立大学, システム科学技術学部, 特任助教 (20866868)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 複合材料 / 力学特性 / 生分解性 / 水環境 |
研究開始時の研究の概要 |
廃棄プラスチックによる環境問題、特にごみの海洋や河川への排出による生態系、人類の健康に与える影響が注目されており、世界の国々が抱える深刻な社会問題となっている。本研究では稲わら、ポリビニルアルコール(PVA)を添加した親水性を有する迅速に分解できる新規生分解性複合材料を創製し、水環境下(海水および河川)におけるその組成、内部構造と力学特性、分解特性との関係を明らかにするとともに、その複合材料の力学特性の経時変化および分解メカニズムを明らかにする。生分解性高分子材料のより広範囲への応用、廃棄プラスチックによる汚染を低減させることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では親水性を有する迅速に分解できる新規生分解性複合材料を創製し、その組成、内部構造と力学特性、分解特性との関係を明らかにするとともに、水環境下(海水、河川)におけるその複合材料の力学特性および分解メカニズムを明らかにすることを目的としている。そのため、海洋と河川での現地試験および自然水環境における各条件を制御した実験室での試験を行い、各材料の内部構造、力学特性、分子量などの変化を定期的に調べ、生分解特性に及ぼす水環境成分、気候、温度、材料の組成などの影響および分解メカニズムを明らかにする。本研究の実施により生分解性高分子材料のより広範囲への応用、廃棄プラスチック汚染の低減に貢献したいと考えている。 当該年度では、いまだ確立されていない海洋生分解性評価システムを構築し、前年度までで作製した複合材料の海洋生分解性を評価した。海洋生分解試験として既存のISO18830を参考に提言されている問題点に独自の改良を加えた評価システムを構築した。作製した複合材料を試験に供した結果、すべての条件において経過時間に伴って生分解が進行している様子が確認できた。TPSが優れた海洋生分解性を示す一方で、BioPBSは単体での海洋での生分解は難しいことがわかった。それらの複合材料では、おおむね重量割合にしたがった生分解率を示し、複合材料でもTPSの海洋生分解性を発揮した。また、TAの添加効果を確認すると、すべての条件において生分解を促進しており、TAの添加による海洋生分解促進効果が判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度はコロナ禍により大きな後れを生じたが、本年度は計画通りの内容を実施できた。得られた結果も非常に良好であり、次年度以降の結果にも期待が持てる内容となった。
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今後の研究の推進方策 |
得られた知見を前提としつつ、引き続き、新規生分解性複合材料の創製方法について検討し、次いで水環境下(海水および河川)におけるその組成、内部構造と力学特性、分解特性との関係について調べる。これより、その複合材料の力学特性の経時変化および分解メカニズムの基礎的知見を得る。
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