研究課題/領域番号 |
20H02049
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大参 宏昌 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (00335382)
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研究分担者 |
安武 潔 大阪大学, 工学研究科, 教授 (80166503)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 水素 / プラズマ / Si / 特殊加工 / 表面処理 / 反射率制御 / 水素プラズマ / 無反射 / 太陽電池 / シリコン / ナノ構造 / 光反射率 / 半導体 / 光無反射表面 / 光無反射 / 無反射表面 |
研究開始時の研究の概要 |
光反射防止、ならびに光閉じ込め等の光マネジメントを可能とする表面ナノ構造の創成技術は、太陽電池などの高機能光半導体デバイスの実現に向け不可欠の加工技術であるが、コスト・環境負荷・生産性などの点で問題を抱えている。この解決に向け、本研究では、廉価・無毒な水素のみからなる高圧・高密度プラズマを利用した光マネジメント用表面ナノ構造のケミカルフリーな創成技術の開発を行うとともに、薄型結晶シリコン太陽電池デバイスに適用することで性能向上を実証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、薄型結晶シリコン太陽電池の光反射ロス低減のため、Si表面に光反射低減用のナノ構造を廉価で無毒な水素を主体とするプラズマを用いて形成するプロセスの開発を目指した。中圧域の水素プラズマにより何故無反射表面が形成可能か?についての機構を解明する研究を進め、ナノコーン形成には正イオンの入射が重要であること、純粋な水素雰囲気ではナノコーン構造は形成されず、マイクロマスク材として作用する窒化酸化膜の形成が必要であることが分かった。さらに得られたナノコーンは、最大高さが6umに達し、その絶対光反射率は、波長350-1040 nmの広い範囲で1%を下回り、極めて広帯域での低反射率を実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、爆発的な太陽電池普及の主役は、結晶シリコン(Si)太陽電池がになっているが、バルク型結晶Siの形成には、精製や結晶化、さらにはウエハ化の過程で、多大なエネルギー消費と多くの材料ロスが不可欠となっている。本研究の成果は、光吸収係数が良好とは言えない間接遷移型Siについて、現状の太陽電池の変換効率を維持しつつ、Si使用量の低減に繋がる薄型化に貢献する。その加工過程において必要なガスは廉価・無毒な水素ガスのみであり、従来の地球温暖化ガスを用いた手法や毒性・高価な化学薬品を用いた手法に比べ、環境に優しい加工法を開発した。また、広波長域に対する黒体構造の創成は、黒体輻射制御研究の促進に貢献できる。
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