研究課題/領域番号 |
20H02051
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
松村 隆 東京電機大学, 工学部, 教授 (20199855)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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キーワード | 切削 / 残留応力 / シミュレーション / 機械学習 / ニューラルネットワーク / 切削力 / ドリル / 切削温度 |
研究開始時の研究の概要 |
航空機構造用母材の切削では,部品の疲労強度の観点から残留応力に対する要求が厳しい.これに対して近年では有限要素法による解析が試みられているが,ドリルによる穴加工のような三次元的に複雑な切削過程に対して,残留応力分布を得ることは困難な状況にある.本研究では,航空機材料の穿孔過程において,切削シミュレーションとAI技術の一つであるニューラルネットワークを併用し,穴内面の残留応力分布を推定する残留応力評価システムを開発する.また,シミュレーションの基礎データ収集とニューラルネットワークの機械学習において,物理的に妥当な参照データを抽出できる「モデリングフィルター」を開発し,解析精度を向上させる.
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研究成果の概要 |
アルミニウム合金とチタン合金のドリルによる穴加工について、切削シミュレーションとニューラルネットワークを併用した残留応力評価システムを開発した。まず、切削条件と工具形状が切削力および残留応力に及ぼす影響を調べた。また、穴の深さ方向に対して軸方向および円周方向の残留応力が変化することを明らかにした。シミュレーションではリップの最外周部の切削分力を解析する。一方、バックテーパ角度とマージン幅が残留応力に及ぼす影響パラメータをニューラルネットワークによって推定する。これらを入力情報とするニューラルネットワークによって、残留応力を精度よく推定できることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
切削加工の残留応力に関する学術的研究は古くから進められているが、それらの多くは切削試験に基づいた定性的な議論にとどまっている。本研究課題では、ドリル切削に対するシミュレーションによって、穴の内周面に対して切れ刃の最外周部による負荷を解析し、これに基づいて定量的に残留応力を推定することが可能となった。また、開発した推定システムは単に平均的な残留応力を推定するのではなく、穴の深さ方向に対して残留応力分布を推定できる。このことは、これまでの研究では試みられていなかった成果である。この推定システムにより、所定の残留応力に対して、ドリル形状と適用できる切削条件を明示することが可能となった。
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