研究課題/領域番号 |
20H02062
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杵淵 郁也 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30456165)
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研究分担者 |
吉本 勇太 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (90772137)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
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キーワード | 分子流体力学 / 希薄気体流 / 気液界面 / クヌッセン層 |
研究開始時の研究の概要 |
蒸発や凝縮を伴う気液二相流の解析には,微視的描像に基づいて気液界面における物質流束や温度ジャンプなどを与える境界条件が必要であるが,多成分系に関する知見は不足している.そこで本研究では,第二高調波発生分光法を用いた気液界面の計測と,分子線法を用いた蒸発分子の速度分布計測から,相変化の微視的機構を明らかにする.また,相変化に伴い気液界面のごく近傍に生じる非平衡気体流れの緩和過程(クヌッセン層)の数値解析を行い,気相側の圧力や温度と,蒸発・凝縮流束の関係を整理することで,流体解析に用いる多成分系の気液界面の相変化モデルを構築する.
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研究成果の概要 |
気液界面から蒸発した直後の水分子の速度分布を実験的に計測することに成功した.測定された速度分布にはMaxwell-Boltzmann分布からのずれが確認され,分子動力学シミュレーションによる予測と同様の傾向を示すことが明らかになった.また,気液界面における溶質分子(クマリンC314)の濃度を第二高調波分光法により計測し,溶質分子の表面被覆率と蒸発流束の関係を定量化した.さらに,多孔体表面からの蒸発に伴う非平衡気体流れの数値解析を実施し,細孔スケールによる蒸発流束の変化をモデル化した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
気液相変化を伴う混相流は工業的に重要な問題であるが,流れを解析する上で必要となる気液界面の境界条件には未だに様々な議論がある.本研究では,気液界面から蒸発した直後の気体分子の非平衡速度分布を計測する世界初の試みに成功した.得られた計測結果は,これまで数値計算では予測されていたものの実験的な実証がなされていなかった学術的に意義深いものであり,今後,当該研究分野にインパクトを与えるものである.また,気液界面における溶質分子の濃度と溶媒の蒸発流束の関係を実験的に定量化した研究はこれまでに例がなく,今後,本研究の成果と分子シミュレーション等の連携による現象理解が進むことが期待できる.
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