研究課題/領域番号 |
20H02077
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 寿 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (40444020)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 燃焼 / アンモニア / ヒドラジン / 再結合 / 熱分解 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、CO2無排出の負荷変動調整電源として高圧・湿式アンモニアガスタービンを想定し、この設計開発の数値シミュレーションに必要不可欠な高圧・水蒸気雰囲気におけるアンモニア燃焼反応モデルの開発を目的とする。このような条件で特に重要となるアミノラジカルの再結合反応に着目し、その反応経路を解明する。得られた結果をアンモニア燃焼反応モデルに組み込み、実験結果と比較検証する。以て、再生可能エネルギー時代における負荷変動調整電源の基盤整備を目指す。
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研究実績の概要 |
アンモニアの燃焼反応において重要であると考えられているものの、その詳細な反応過程が解明されていないアミノラジカル再結合反応(NH2+NH2)に着目して研究を進めた。これに加えて、アミノラジカルの消費にヒドロペルオキシルラジカル(HO2)が関与する反応(NH2+HO2)について、従来想定されていた生成物経路とは別の経路の重要性が見つかった。この点について修正したアンモニア燃焼反応モデルを構築した。結果として、アミノラジカルの消費経路全体のバランスが変化したため、これまで取得した実験結果と修正を組み込んだアンモニア燃焼反応モデルとの比較検証を再度実行した。その結果、実験結果を良好に再現することができた。加えて、文献調査から他の基礎燃焼特性(着火遅れ時間、層流燃焼速度、他の反応管実験法における化学種計測、よどみ火炎に対する化学種計測など)を取得し、修正したモデルとの比較を実施した結果、これらについても良好に再現することを確認した。これらの成果をまとめて論文発表を実施した。さらに反応経路解析と感度解析を実施し、他のアンモニア燃焼反応モデルと比較検証することで、高圧条件における要修正反応の候補を得た。また、速度定数だけでなく、熱物性データについても要修正の可能性があることを見出した。将来の高圧条件におけるモデル検証に向けて、高圧条件における基礎燃焼特性についても文献調査を実施した。また、高圧条件における実験の準備を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予想に反して重要な素反応が見つかったため、その速度定数の再評価に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
再評価した速度定数を組み込んで、モデル検証を再実行してゆく。遅れは生じたが、モデルによる燃焼特性の予測精度は改善したため、研究成果としては良好と考えている。
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