研究課題/領域番号 |
20H02117
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20020:ロボティクスおよび知能機械システム関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中原 佐 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (00756968)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
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キーワード | キネシン / 微小管 / MicroTAS / BioMEMS / 表面粗さ / MEMS |
研究開始時の研究の概要 |
近年、生体分子モータのキネシンと細胞骨格の微小管による運動系(微小管運動)をナノスケールの輸送体として応用する研究が行われている。研究代表者は微小管運動の受動的な速度制御方法として、表面粗さ構造の利用に着目した。本研究では表面粗さ構造に対する微小管運動の特性変化のメカニズムを明らかにするとともに、その特性を利用した受動的な分子濃縮システムを開発することが目的である。提案する制御技術の有用性を実証できれば、微小管運動を用いる学術分野への波及効果が期待でき、分子スケールの輸送を必要とするマイクロ化学チップ等への発展性を示すことができると考える。
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研究成果の概要 |
表面粗さに対する微小管運動の特性変化を明らかにするために、本研究では微小管運動を連続的に捉えることができる階段状の表面粗さ構造を製作した。製作した構造上に微小管運動を構築し、移動する微小管を観測した結果、表面粗さの増加に伴い微小管の移動速度は減少し、停止している微小管の割合が増加することを確認した。また、階段状構造の段差を越えて移動し、運動を継続する微小管を一部で観察した。表面粗さ構造を用いて、微小管運動によるナノ輸送システムとしての有用性を実証するためには、対象分子の濃縮または分別など、特定のアプリケーションに向けた定量評価が今後必要になると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
微小管運動の制御方法について、これまでに多くの方法が提案されてきたが、予め製作しておいた構造によって受動的に速度を制御する方法は極めて少なく、ナノスケールの表面粗さ構造に対する運動特性の詳細なメカニズムについては明らかにされていなかった。本研究では、微小管の移動速度および停止や剥離といった挙動が表面粗さの大きさによって変化することを観測した。また、階段状構造の段差を越えて運動を継続する微小管を一部で観察したことから、粗さ構造を用いた微小管運動によるナノ輸送システムの実現に向けて、基礎的な知見が得られたと考えられる。
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