研究課題/領域番号 |
20H02126
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
小原 秀嶺 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (50772787)
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研究分担者 |
藤本 康孝 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (60313475)
河村 篤男 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 名誉教授 (80186139)
下野 誠通 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (90513292)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | パワーエレクトロニクス / マルチレベルリニアアンプ / マルチレベルコンバータ / 電磁ノイズ / 効率 / マルチレベルインバータ / 高効率 / 電力変換 |
研究開始時の研究の概要 |
現在広く使用されているパワーエレクトロニクス機器は,パワー半導体デバイスのスイッチング動作を用いることで高効率な電力変換を実現している。一方,スイッチング動作の欠点として,原理的に電磁ノイズの発生が避けられず,しばしば電力変換器は「ノイズを撒き散らす箱」と認識されてしまっている。本研究では,高い変換効率を維持しつつ原理的に電磁ノイズを一切発生しない電力変換方式を提案,実証,技術体系化し,新しいノイズフリーのパワーエレクトロニクス分野を創生しようとするものである。そのコア技術は,パワー半導体デバイスの超マルチレベル化,線形動作化とその制御およびそれらの高密度実装である。
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研究実績の概要 |
2021年度は、2020年度計画から後ろ倒しとなったマルチレベル主回路の1チップIC化の具体化を進めた。仕様策定と設計、フィードバックを繰り返し、5レベルインバータの主回路1チップICを試作完了した。計画通り、最大直流入力200V、出力電流5A、チップサイズ4×4mmの仕様で設計試作し、専用のQFNパッケージへの実装を進めた。本試作チップは、マルチレベルインバータもしくはマルチレベルリニアアンプとして動作させる場合に、周辺回路の構成により様々な回路方式を実現可能な上、複数チップを多段接続することでレベル数もしくは直列素子数を増やすことができる。すなわち、用いるチップ数を変えることで、マルチレベルインバータであれば低ノイズ化、マルチレベルリニアアンプであれば高効率化の検証が出来る仕様となっている。来年度、パッケージングと基板実装を進めて動作実証を行い、本実装形態の妥当性を示すことを目指す。 他方、マルチレベルリニアアンプの検討として、昨年度提案したモジュラーカスケードリニアアンプ(MCLA)の試作設計を行い、少ない直列素子数で高効率化が可能であることを実験実証した。また、キャパシタ電圧不均等化の考え方をフライングキャパシタマルチレベルリニアアンプ(FCLA)へ適用し、さらなる高効率化が可能であることを示した。これまでのマルチレベルリニアアンプの技術体系化の成果として、ダイオードクランプリニアアンプ(DCLA)、FCLA、MCLAの基本3回路方式と動作原理、動作実証をまとめた成果がIEEE Accessに掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1チップICの設計試作を完了し基板実装のためのパッケージングを進めている。2022年度の早期にインバータとしての動作実証が出来る見込みであり、昨年度の遅れをほぼ取り戻したと判断できる。IC試作以外は、マルチレベルリニアアンプの各方式の実験実証も含めて順調に進展しており、技術体系化に向けて知見が積み上がっている。
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今後の研究の推進方策 |
ICチップのパッケージング,プリント基板への実装を進めて動作実証を行い、新しい実装形態の妥当性を示す。また、マルチレベルリニアアンプの技術体系化を進める。標準回路方式である,ダイオードクランプリニアアンプ、フライングキャパシタリニアアンプ、モジュラーカスケードリニアアンプの3方式を軸として、これらの応用回路方式、組み合わせ回路方式に関して、動作原理や特徴について整理を進める。さらに、キャパシタ電圧バランス制御、キャパシタ電圧不均等化による高効率化、各種リニアゲート回路方式などについても、方式の整理や適用制約などを整理し、技術基盤としてまとめる計画である。
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