研究課題/領域番号 |
20H02129
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
高木 伸之 岐阜大学, 工学部, 教授 (80179415)
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研究分担者 |
王 道洪 岐阜大学, 工学部, 教授 (20273120)
ウ ティン 岐阜大学, 工学部, 准教授 (50789774)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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キーワード | 雷 / 最終雷撃過程 / 3次元雷放電路可視化 / 雷放電路の可視化 / 落雷の予知 / 放電路の可視化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では世界最高性能を有する3次元雷放電路可視化システム(雷放電路の3次元進展様相動画を高時間・高空間分解能で見ることが可能)の開発を行い、これを用いて雷撃地点が決定される物理的メカニズムを明らかにする。これにより、これまでの経験則に基づいて作られた避雷設計のためのJIS規格を理論に基づいた避雷設計規格に刷新する事が可能となる。このシステムの位置精度は極めて高いので、電力会社等での被害の確認作業のコストを大幅に削減できる。また、このシステムは気象庁が行っている雲のレーダーエコーを用いた落雷予知とは異なり実際に電荷のある場所(雷放電の電波放射源)を用いた落雷予知も可能となる。
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研究実績の概要 |
本研究で開発する世界最高性能を有する3次元雷放電路可視化システムの位置精度は1m、時間分解能を1μs、1回の落雷に伴う電波放射源の数3万個以上を目指している。当初はLF帯(30kHz-300kHz) 3次元雷放電路可視化システムFALMAの性能向上だけを目指していたが、その目処が立ったので、他の3次元雷放電路可視化システムMF-HF帯(300kHz-30MHz) 3次元雷放電路可視化システムDALMAとVHF帯(30MHz-300MHz) 3次元雷放電路可視化システムInLMA(干渉法による位置標定)の追加製作と設置をおこなった。さらに高さ50mの砂丘台地によって雷放電路下部の観測が難しかった高速度カメラ用に新たな観測小屋を海岸間際に設置し、高度0m、距離20km先まで観測することが可能となった。これにより4種類の観測データを相互に比較することが可能となった。 3次元雷放電路可視化システムFALMA、DALMA、InLMAにより取得できたデータ数は300kmx300km四方では1万個以上あるが最終雷撃過程が識別可能なアンテナから近距離での落雷を抽出して、各3次元雷放電路可視化システム毎に上向き放電の確認や帰還雷撃開始高度の確認作業を行っており、複数の候補データを得ている。 海岸線に設置した2台の高速度ビデをカメラによるデータの取得にも成功した。このデータは放電路の下部まで撮影できている。さらにこの高速度カメラ近傍でのドローンを用いた人工誘雷にも挑戦しているので成功すれば至近距離での撮影データの取得及びFALMA、DALMA、InLMAでのデータ取得が可能となる。 落雷の予知に関してはこれまでは半径10kmの円内でかつ30分以内の予測であったが、これを半径1kmかつ時間が5分以内に発生する落雷の予知も可能であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初はLF帯(30kHz-300kHz) 3次元雷放電路可視化システムFALMAの性能向上だけを目指していたが、その目処が立ったので、他の3次元雷放電路可視化システムMF-HF帯(300kHz-30MHz) 3次元雷放電路可視化システムDALMAとVHF帯(30MHz-300MHz) 3次元雷放電路可視化システムInLMA(干渉法による位置標定)の追加製作と設置をおこなった。さらに高さ50mの砂丘台地によって雷放電路下部の観測が難しかった高速度カメラ用に新たな観測小屋を海岸間際に設置し、高度0mまで観測することが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
最終雷撃過程を検知可能な観測システムが4種類稼働状態となった。今後も観測機器を常にチェックしてデータ数を増やす。取得できる雷放電データは300kmx300km四方では年間一万個以上あるが、最終雷撃過程が判別可能な距離は100kmx100km四方以下である。それでもかなりのデータ数があるが、1つづつ識別するのに時間を要する。今後はデータの自動判別化が必要である。 落雷の予知についてはピンポイントでかつ数分先の落雷を予知できるように予報円の位置の最適化を検討する。
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