研究課題/領域番号 |
20H02146
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
戸村 崇 東京工業大学, 工学院, 助教 (10803992)
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研究分担者 |
坂本 啓 東京工業大学, 工学院, 准教授 (40516001)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2020年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | アンテナ / リフレクトアレー / 展開アンテナ / 折り紙 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では折り紙技術による小型収納・大型展開可能な膜をアンテナにし,膜の機械的な欠点を電気的に解決することで,超高利得アンテナを実現する.展開後の膜には平面度が低い・折り目にアンテナが配置できないという二つの課題がある.能動素子で反射位相を制御しアンテナ自ら変形を電気的に補償する手法を確立する.折り目によるアンテナ配置の乱れを整える設計論を確立する.本研究課題は機械特性を電気的に補正する従来と逆のアプローチを取るものである.
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研究実績の概要 |
本研究では折り紙技術による小型収納・大型展開可能な膜をアンテナにし,膜の機械的な欠点を電気的に解決することで,超高利得アンテナを実現する.展開後の膜には平面度が低い・折り目にアンテナが配置できないという二つの課題がある.本研究課題では能動素子で反射位相を制御しアンテナ自ら変形を電気的に補償する手法と,折り目によるアンテナ配置の乱れを整える設計論を確立する.本年度は自己校正手法と非周期アレー設計論を検討した. 自己校正手法ではフレキシブル基板上に構成した位相補償反射素子の設計を実施した.昨年度検証したリジッド基板では折り畳みができないが,フレキシブル基板は厚みが50um程度であり折りたたむことが可能である.また実際の変形を模擬することができる.グラウンドとパッチの2層のフレキシブル基板を用い,反射位相が制御可能な素子の設計を完了した. 折り畳みパターにより生じるアレーアンテナの配置・周期の乱れを考慮したアンテナ設計論を考慮した.当初はモーメント法による全構造解析によるアプローチを検討したが,素子数が多い場合に解析時間が指数関数的に増えてしまう問題がある.そこで反射素子の形状を工夫することで,非周期な折り畳みパターン上に周期的なアレーを形成する方法を検討した.折り幅とアレー周期を一致させ,全素子上に生じえる折り線を集約し,その折線上に素子を配置しない素子形状を検討した.これにより非周期な折りパターン上に周期的なアレーアンテナを形成する手法を確立した. これらの成果より国際学会2件,国内学会5件発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
非周期アレー設計論については当初計画していた通り,設計論を確立することができた.一方で,自己校正手法は必要となるフレキシブル基板上の反射位相制御素子の設計は完了したが,アレー全体としての変形補償までは実施できなかった.以上より,本研究課題はやや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として,これまでに確立した手法を組み合わせ,超小型衛星に搭載可能なリフレクトアレーアンテナシステムを設計する.搭載する超小型衛星のサイズとしては3U(1Uは1リットル)を想定し,50cm×50cmの展開膜上にリフレクトアレーアンテナを実装する.一次放射器は超小型衛星本体に取り付け,展開機構不要かつブロッキングが生じない構造とするために,メインビーム方向が傾いたアンテナとする.リフレクトアレーは織物とフレキシブル基板を組み合わせた構成とし,1Uサイズに収納可能な構造を目標とする.また,自己校正法の検証として変形を与えたアレーアンテナに対して自己校正法の確立を目指す.
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