研究課題/領域番号 |
20H02149
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山里 敬也 名古屋大学, 教養教育院, 教授 (20252265)
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研究分担者 |
齋藤 将人 琉球大学, 工学部, 准教授 (30335476)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 確率共鳴現象 / 1bitアナログ/デジタル変換器 / MIMO-OFDM / 1bit アナログ/デジタル変換器 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,分解能が最も低い1 ビットアナログ・デジタル変換器(1bit ADC)であっても,雑音を利用して,低い分解能を超える信号を受信できることを実証する.具体的には,我々がこれまで行った確率共鳴現象の検討結果を発展させ,雑音を利用する1bit ADC を用いた信号受信の基礎理論を構築することを目的とする.対象とする信号として,第5 世代移動通信(5G) で採用されているMIMO-OFDM信号を取り上げる.そのような複雑な信号であっても,雑音を利用する1bit ADC を用いた受信機で復調できることを,受信機の開発と受信実験を通して実証する.
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研究実績の概要 |
本研究では,分解能が最も低い1bit ADCでも,雑音を利用することによりその分解能を超えた信号を受信できることの実証を目的とする.対象 として,5Gで採用されているMIMO-OFDM信号を取り上げ,そのような複雑な信号であっても,雑音を利用する1bit ADCを用いた受信機で復調で きることを,実験により実証する.これまで雑音は,工学的には邪魔なものとしてフィルタ処理等を駆使して積極的に取り除かれてきた.これ に対し,本研究では雑音を積極的に利用する.あえて雑音を利用する通信システムの検討を行うことで,これまでとはまったく異なる考え方に基づく,新しい通信システムの構築を目指している.ここに本研究の学術的独自性と創造性がある.
本研究では2つのテーマを設け検討していく. (a) 雑音を利用する1bit ADCによる信号復調の基礎研究文献[3,4]の成果を発展させ,MIMO-OFDM信号受信に応じて,故意に加える雑音分布,雑音帯域と1bit ADC出力との因果関係の解析を,理論解析及び計算機シミュレーションにより行う.検討結果を随時下記(b)の開発研究に反映する.また,(b)の開発研究で得られた課題を解析に取り込み,より現実に近い環境にも対応可能な信号復調理論を構築する. (b) 雑音を利用する1bit ADCによるMIMO-OFDM受信機の開発研究上記(a)の実験による実証を目的として,雑音を利用する1bit ADCによるMIMO-OFDM受信機を開発し,その有効性を確認する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は,雑音を利用した1bit ADCによるOFDM受信機の設計・開発及びその性能評価を通した,ハードウェア実装において生じる課題の抽出を行った. 2021年度は,昨年度開発したOFDM受信機を改造し,MIMO-OFDM受信機を設計・開発した.開発した受信機の性能評価を繰り返し,結果を元に改造を行い,MIMO-OFDM受信機を完成させた.現在,MIMO-OFDM受信機の性能向上をめざし検討を重ねていることろであるが,雑音を利用した1bit ADCによる MIMO-OFDM 伝送ができることは確認できている.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は,昨年度完成した雑音を利用した1bit ADCによる MIMO-OFDM受信機の性能評価を行い,本方式の有効性を明らかにする.なお,本年度は装置開発は行わない.もっぱら性能評価と得られる結果の公表に努めていく.
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