研究課題/領域番号 |
20H02156
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
金井 浩 東北大学, 工学研究科, 教授 (10185895)
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研究分担者 |
荒川 元孝 東北大学, 医工学研究科, 准教授 (00333865)
山内 正憲 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00404723)
大西 詠子 東北大学, 大学病院, 助教 (10822265)
森 翔平 東北大学, 工学研究科, 助教 (50815149)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 医用超音波計測 / 硬膜外麻酔 / 超音波散乱 / 反射波の影響 / 包絡線振幅 / 振幅角度特性 / 超音波工学 / 骨の描出 / 胸椎間隙 / 超音波医学 / 散乱特性 / 反射特性 / 可視化 / 散乱角特性 / 超音波プローブ / 胸椎 |
研究開始時の研究の概要 |
胸椎の鮮明な描出を目的とし,骨の反射角特性Rr(θ)と筋組織の散乱角特性Rs(θ)の差を描出する研究を行う。 初年度は,関心点(x,z)での散乱角特性R(θ)を計測するための原理を研究し,送信超音波に対する骨での反射角特性Rr(θ)と筋肉での散乱角特性Rs(θ)の差を可視化する。 次年度は,骨と筋肉のファントムを用いた水槽実験で原理の確認と検討を行なった上で,計測システムを構築する。 最終年度は,大学病院の麻酔科医師によって臨床応用し,胸椎の描出能の評価し,硬膜外麻酔支援を目指した超音波による胸椎可視化法として確立を目指す。さらに散乱角特性R(θ)を活用した全く新しい超音波診断の可能性を拓く。
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研究成果の概要 |
皮膚表面から胸椎間隙へ麻酔針を穿刺する硬膜外麻酔では,間隙が狭く棘突起が伸びているため,適切な位置への穿刺が困難である.臨床では,穿刺位置を確認するために,超音波を用いることがあるが,超音波を散乱する筋肉と,超音波を反射する骨の描出を区別できないため,穿刺位置の描出が不鮮明である.先行研究では,対象物からの反射波の影響が重畳し,空間分解能が低下するという課題があった.そこで本研究では,(1)各素子の包絡線振幅の瞬時値から求めた振幅角度特性から,散乱と反射の違いを特定し,(2)散乱と反射の振幅角度特性の違いを用いて,描出において筋肉を抑制し,骨を強調することで,胸椎間隙を鮮鋭化している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨では,筋組織により浅部に広がる受信信号が得られること,高強度の受信信号の位置は対象物の傾きに依存して得られることが実験的に示された.また,筋組織と骨から得られる受信信号の違いから筋組織を抑制し,骨を強調する描出法を提案し,その優位性を示した.現状では,硬膜外麻酔で,穿刺位置を確認するために,超音波を用いるが,超音波を散乱する筋肉と,超音波を反射する骨の描出を区別できず,穿刺位置の描出が不鮮明である.本研究成果は,今後の硬膜外麻酔の際の超音波ガイダンスとなり,新たな胸椎描出法を研究開発の基礎になったものと言える。さらに,整形分野での医用超音波による骨の描出能の向上にも寄与すると期待される.
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