研究課題/領域番号 |
20H02163
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
大多 哲史 静岡大学, 工学部, 准教授 (30774749)
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研究分担者 |
倉科 佑太 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40801535)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 磁性ナノ粒子 / 磁気緩和 / 磁気粒子イメージング / がん温熱治療 / 高調波 / 磁化率 / 緩和時間 / 磁化曲線 / 磁化応答 |
研究開始時の研究の概要 |
磁性ナノ粒子とは、外部磁場への応答を示すベクトル量(磁化)の磁場に対する応答により磁気信号と発熱を生じるため、磁気粒子イメージングと低侵襲ながん温熱治療を併用した、次世代がん診断治療の実用化が期待されている。複数コア粒子が集合したマルチコア構造は、シングルコア構造に対して高い磁気信号と発熱を得られ、診断治療に有効である。 本研究では、マルチコア構造の内部コア粒子の挙動に注目し、集合体とコア粒子の応答を分けて観測可能な、磁化応答の直接計測システムによる実測と磁化シミュレーションから磁化応答モデルを構築し、生体内模擬計測を組み合わせて、がん診断治療への粒子設計最適化におけるブレイクスルーを目指す。
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研究成果の概要 |
マルチコア構造と類似したナノフラワー構造の磁性ナノ粒子について、複数コアの集合体としての磁化応答と、内部コア粒子の磁化応答を分離して解析することに成功した。 10 ns程度のスイッチング時間であるパルス磁場を用いて、5 ms程度まで磁性ナノ粒子の磁気緩和を観測した。実効的粒径が同程度のシングルコア構造およびナノフラワー構造の磁性ナノ粒子において、実効的な磁気異方性定数が顕著に異なる可能性をネール緩和時間の差異から見出した。 生細胞に添加した磁性ナノ粒子の磁化応答計測システムを構築した。細胞内における粒子自体の物理的回転の抑制と、凝集による双極子相互作用の影響で磁化が減少する可能性を実測から示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腫瘍に集積させた磁性ナノ粒子を可視化する磁気粒子イメージングやがん温熱治療が注目されている。粒子が単体で応答するシングルコア構造に対して、複数のコア粒子が集合して実効的に単一粒子として機能するマルチコア構造が、診断治療に有効であるが、その磁化応答が未解明なため、診断治療の実用化に十分な磁気信号と発熱量が得られていない。 粒径などの粒子パラメータと磁化応答の相関性を体系化し、マルチコア構造のコア粒子間相互作用を考慮した磁化応答モデル構築することは学術的に意義深い。さらに生細胞環境での計測により、生体環境での粒子の形態変化を考慮した、がん診断治療への最適な粒子設計指針を得ることは社会的意義が大きい。
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