研究課題/領域番号 |
20H02176
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
本久 順一 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (60212263)
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研究分担者 |
冨岡 克広 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (60519411)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 半導体ナノワイヤ / ベクトル光波 / 偏光 / ナノワイヤレーザ / ナノワイヤ / 偏光解析 / 偏光渦 |
研究開始時の研究の概要 |
位相や偏光の特異点を有するトポロジカル光波が学術的および応用面で注目を集めているが、本研究は半導体ナノワイヤを用いてコンパクトなベクトル光波源を実現することを目的とする。まず、現在得られているナノワイヤレーザの発振モードを同定し、高次ベクトル光波となっていることを確認する。そして、計算機シミュレーション・電磁場解析を通じ低次の導波モードによりレーザ発振が可能な構造を設計し、設計されたナノワイヤを有機金属気相選択成長法を用いて作製するとともに、その発光特性を評価し、ベクトル光波の発生を確認する。さらに、ナノワイヤを利用したガウスラゲール光の発生可能性を検討する。
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研究成果の概要 |
GaAs/InGaAs/GaAs コアシェル型ヘテロ構造ナノワイヤより放出される光について、発光スペクトル、発光のビーム形状、偏光状態の解析を行った。低温連続光励起の条件下では、光共振器構造に由来する半値幅の鋭いピークが観測されたが、パルス光励起の場合、励起光強度の増大とともに非線形的にピーク強度が増大する半値幅の鋭い発光が観測され、ナノワイヤのレーザ発振を確認した。そのピークの光のビーム形状は中空で、さらに、偏光解析より軸対称の偏光分布を有していることが明らかとなった。以上より、ナノワイヤをレーザ発振させることによって中心に強度特異点を有する軸対称ベクトル光波が発生可能であること示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ベクトル光波は、通常の光波とは異なる光としての特徴を持ち、光マニュピレーション、光トラッピング、レーザ加工、超解像イメージング、光通信、量子光通信や粒子加速など、多岐に渡る分野での応用が期待されているが、一般的に発生方法が煩雑で、簡便は発光源の開発が求められている。本研究において、半導体ナノ構造として形成が容易な、断面寸法サブミクロン程度の微小なナノワイヤがレーザ発振すること、そしてレーザ発振時に軸対称ベクトル光波が発生可能であることを示した。これにより、ナノワイヤは小型のベクトル光波源としての可能性が示されるとともに、ベクトル光波の応用可能性を一段と高めている。
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