研究課題/領域番号 |
20H02182
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
加藤 剛志 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (50303665)
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研究分担者 |
大島 大輝 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (60736528)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | 電子・電気材料 / 磁性材料 / スピントロニクス |
研究開始時の研究の概要 |
スピン軌道トルク(SOT)磁化反転は磁性層に隣接する非磁性層に電流を流すことで磁化反転を行なうもので,既存のスピン移行トルク(STT)磁化反転に比べ1/5程度の消費電力で10倍高速に磁化反転ができると考えら,今後のSociety 5.0を支える大容量磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)への応用研究が進められている.本研究は磁性材料に空間反転対称性の破れを人工的に導入することで,SOT磁化反転の高効率化を図るとともに,これを利用した3次元メモリの原理実証を行なう.
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研究成果の概要 |
本研究では人工的に空間反転対称性を破ったGd/FeCo多層膜,Tb/Gd/FeCo多層膜の構造非対称性とSOT磁化反転臨界電流密度の相関を調べた.膜厚方向に層厚勾配を設けたGd/FeCo多層膜において,サンプルばらつきは見られるものの,層厚勾配を大きくすることでSOT磁化反転の臨界電流密度が低減する傾向が得られた.Tb/Gd/FeCo多層膜において,Tb層厚を増加により実効垂直磁気異方性が増大するにもかかわらず,SOT磁化反転の臨界電流密度が低減するという結果が得られた.Tb層厚増加により膜厚方向の構造非対称性が増加したことが原因である可能性がある.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スピン軌道トルク(Spin orbit torque: SOT)は,Society 5.0を支える大容量磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)の新規磁化反転手法として期待されているが,磁化反転の臨界電流密度の低減が求められている.本研究ではメモリの機能を果たす磁性膜に膜厚方向の空間反転対称性の破れを人工的に導入し,この空間対称性の破れがスピン軌道トルク磁化反転の臨界電流密度を低減する可能性があることを示した.磁性膜の空間反転対称性の破れとスピン軌道トルクとの相関は未解明な部分も多く,今後も継続的に研究を進め,MRAMの飛躍的高密度化,低消費電力化を可能とする技術を探求する必要がある.
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