研究課題/領域番号 |
20H02190
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
三浦 良雄 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 磁性・スピントロニクス材料研究拠点, グループリーダー (10361198)
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研究分担者 |
増田 啓介 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 磁性・スピントロニクス材料研究拠点, 主任研究員 (40732178)
只野 央将 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 磁性・スピントロニクス材料研究拠点, 主任研究員 (90760653)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 第一原理計算 / 磁気抵抗効果 / スピン異常ホール効果 / 機械学習 / ホイスラー合金 / スピン揺らぎ / スピン-フォノン結合 / 磁気ダンピング / スピントロニクス / 結晶磁気異方性 / 有限温度スピン輸送特性 / 磁気ダンピング効果 / スピン輸送特性 / 有限温度磁気物性 / スピントルク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では磁気抵抗効果・異常ホール効果・スピンホール効果・磁気ダンピング効果などの実用デバイスにおいて鍵となるスピン輸送現象の有限温度における振舞いを、スピン揺らぎ効果とスピン-フォノン結合効果を組み込んだ第一原理計算を行うことにより明らかにする。特に、磁性材料およびその非磁性体との接合界面における磁気抵抗効果やスピン(異常)ホール伝導度,磁気ダンピング効果の第一原理計算に、フォノン自由度およびマグノン自由度を導入することにより、それらの温度依存性を明らかにする。本研究により、室温におけるスピン輸送現象の振る舞いが明らかになり、磁性デイバスの室温における性能劣化の問題を解決することができる。
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研究成果の概要 |
初年度は、FePt等のL10型合金のスピン異常ホール効果の第一原理計算を行い、その価電子数依存性を明らかにした。2年目は、有限温度スピン揺らぎを取り入れた第一原理計算を用いて機械学習を行い、室温で高いスピン偏極率を有する新規ハーフメタル・ホイスラー合金を提案した。更に有限温度でのトンネル磁気抵抗効果の理論解析により、室温での磁気抵抗効果を支配する新しい物理パラメータとして、原子内s-d交換相互作用が重要であることを提案した。3年目は、有限温度でのフォノン励起効果を取り入れて磁気ダンピング計算を行い、FePtのキュリー温度付近でフォノン励起が磁気ダンピングの温度依存性に与える影響を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スピントロニクス材料の応用において重要となるスピン輸送の理論計算は、そのほとんどが絶対零度の計算であり、実用デバイスを想定した有限温度におけるスピン輸送の理論解析はあまり行われてこなかった。本研究では磁気抵抗効果・磁気ダンピング効果などのスピン輸送現象の有限温度における振舞いを、スピン揺らぎ効果とスピン-フォノン結合効果を組み込んだ第一原理計算を行うことにより明らかにした。特に、有限温度で高いスピン偏極率を有する新規ホイスラー合金を提案し、また有限温度でのフォノン励起が磁気ダンピングに与える影響を明らかにしたことにより、室温における磁気物性の劣化問題に対して、新しい知見をもたらすことができた。
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