研究課題/領域番号 |
20H02192
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
秋本 良一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (30356349)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
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キーワード | 量子ドット / 半導体レーザー / 電子線 / 黄色発光 / 表面エネルギー / 黄色レーザー |
研究開始時の研究の概要 |
レーザー活性層に量子ドットを導入したワイドギャップII-VI族半導体材料を用いて、黄色波長域で動作する信頼性の高い量子ドット半導体レーザーを実現する。活性層に量子ドットを導入することにより、量子ドット内に局在した注入キャリアと活性層に内在する点欠陥との空間分離効果を用いて欠陥増殖を抑制するが期待できる。研究代表者は、これまでの研究において成長中の結晶表面に電子線を照射することにより、高効率に黄色発光する量子ドットが形成される現象を発見している。本研究では、その量子ドット形成のメカニズムを解明し、これを活性層に用いた素子を作製して劣化抑制効果を検証する。
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研究成果の概要 |
電子線照射を用いたCdSe量子ドット形成に関する研究を行った。原子レベルで平坦かつ歪エネルギーを蓄積したCdSe表面に電子線照射効果すると、黄色波長で発光する比較的サイズの大きな量子ドットが形成されることを明らかにした。電子線照射によりCd原子の表面拡散が増強され、これが平坦表面から量子ドットによる3次元凸凹面への状態遷移のトリガーになっていること、およびサイズの大きなドットが形成される要因になっていることを明らかにした。電子線照射により形成した量子ドットを活性層にもつ素子において、レーザー発振波長を555nmまで長波長化させることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、これまで他の方法では実現不可能であった黄色波長で発光する量子ドットを電子線照射により形成し、その発光特性と構造の関係を明らかにしたこと、表面エネルギー制御の観点から形成メカニズムについて明らかにしたこと、レーザー発振が可能であることを実証したことである。一方、社会的な意義として、将来、各種分析機器や非侵襲の治療や医療診断への応用が期待される黄色半導体レーザー実現に向けて、信頼性の向上が期待できる量子ドットを活性層にもつ素子の基盤となる技術的知見を獲得したことである。
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