研究課題/領域番号 |
20H02198
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹中 充 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20451792)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 光集積回路 / 中赤外光 / ゲルマニウム / センシング / 光通信 / コンピューティング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ゲルマニウム光回路を用いた中赤外光センシングにより、様々な分子を検出可能なオンチップ分子センシングの実現を目指す。中赤外光に対して透明なゲルマニウムを使って、低損失ゲルマニウム光導波路、リング共振器やスパイラル導波路などの各種導波路光回路、光変調器、受光器などの研究を進めるとともに、それを一体集積した光集積回路技術を創出することで、オンチップで様々な分子を光センシングすることを可能とする基盤技術の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
Ge-on-insulator (GeOI)プラットフォームを用いたセンシング用Ge光集積回路の研究を推進した。導波損失を約10分の1まで低減したGe導波路を実現し、センシングに必要となる導波路素子を実現した。キャリア注入型Ge光変調器の研究においては、固相ドーピングを用いて変調効率を大幅に改善するとともに、プラズマ分散効果を用いた光位相変調にも初めて成功した。結晶欠陥を用いた受光器をGeOI基板上で初めて実証するとともに、雪崩増幅による高感度動作を始めて実証した。 これにより、Ge中赤外光回路を用いた小型かつ高感度な分子センサチップを実現する基盤技術の構築に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Geは中赤外波長全域で透明であることから、中赤外集積回路の導波路材料として期待されている。本研究を通じて、Ge導波路の導波損失の低減手法を確立したことで、低損失Ge導波路が実現された。これにより、様々な超小型導波路素子の作製が可能となった。光集積回路中の光信号の変調に用いる光変調器においても、強度変調の効率改善に加えて、位相変調にも初めて成功した。結晶欠陥準位を介した受光器の実証に成功した。これらの素子を一体集積することで、ウェアラブルデバイスに搭載可能な光センサーチップや光通信、コンピューティングへの応用が期待されることから、学術的だけでなく社会的にも意義の大きい研究成果となった。
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