研究課題/領域番号 |
20H02214
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
永瀬 成範 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (80399500)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
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キーワード | 窒化物半導体 / 量子井戸 / トンネル現象 / 超高速情報処理 |
研究開始時の研究の概要 |
窒化ガリウム系共鳴トンネルダイオードでのサブバンド間遷移現象を用いることで、高速な不揮発メモリの実現を期待できる。しかし、この不揮発メモリの実現には、Siデバイスや他の不揮発メモリとの集積化を可能にする結晶成長技術やプロセス技術の確立が重要となる。本研究課題では、これらの技術の実現により、SRAMと同等な高速性を持つ不揮発メモリを実現するための基盤技術を構築し、将来の省エネルギー技術として期待されているノーマリ―オフコンピューティング技術の実現に貢献することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、窒化ガリウム系共鳴トンネルダイオード(GaN系RTD)でのサブバンド間遷移現象を用いることで、ピコ秒オーダー動作の高速な不揮発メモリを実現することを目指している。本研究課題では、この実現のために、(1)Siデバイスや他の不揮発メモリとのハイブリット集積化を可能にする結晶成長技術と(2)ナノメートルオーダーまでのメモリ微細化技術を確立することを予定している。令和3年度及び令和4年度は、(1)の結晶成長技術確立に向けて、令和2年度までに開発した窒素キャリアガスとTMInサーファクタントを用いたGaN/AlNヘテロ界面改善技術と、低温成長AlGaN層とAlN層を用いた歪緩和技術を用いることで、良質なGaN/AlN系RTDをSi(111)基板上に作製することを検討した。その結果、ピット状の結晶欠陥や貫通転位密度の少ないGaN/AlNヘテロ界面を形成することに成功し、ON/OFF比>440、高速書き込み時間<9 ns(装置時間分解能)などの良好な不揮発メモリ動作を、Si(111)基板上でも実現することに成功した。また、これらの成果を、2022年秋季応用物理学会学術講演会で発表した結果、第20回応用物理学会Poster Awardを受賞することに成功した。また、(2)の微細化技術の確立に向けて、EB描画とICPドライエッチングを用いた直径nmオーダーの微細メサ構造形成技術やSiNを用いた微細メサ構造埋め込み技術などのプロセス基盤技術を構築した。最終年度は、これらの結晶成長技術とプロセス技術を用いることで、Si(111)基板上に微細GaN/AlN系RTDを作製し、良好な不揮発メモリ動作の実現を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルスの影響により、所属機関の方針による出勤制限があったために、令和4年度への繰り越しを行ったが、令和4年度中には、当初予定していた実験計画をほぼ遂行することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度までに開発した結晶成長技術及び微細化技術を用いることで、更なる不揮発メモリ特性の改善を目指すとともに、次世代コンピューティング応用に向けた本不揮発メモリの設計指針や課題などを明らかにすることを予定している。
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