研究課題/領域番号 |
20H02217
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
小林 大輔 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (90415894)
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研究分担者 |
牧野 高紘 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 量子機能創製研究センター, 主幹研究員 (80549668)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2020年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | 品質管理 / 機器・人間の信頼性 / 低炭素社会 / 放射線 / 量子ビーム産業応用 / リスク評価 / 電子デバイス・集積回路 |
研究開始時の研究の概要 |
LSIチップは放射線に反応して誤動作することが知られている。ソフトエラーと呼ばれるこの誤動作はICT社会の信頼性に関わる問題である。LSIの信頼性を確保する方法としてスクリーニングが知られているが、ソフトエラー耐性に基づいたスクリーニングは実現できていない。すなわち、チップごとにソフトエラー耐性の良しあしを検査して、要求未達のチップを取り除くことは今はできない。我々は近年、ソフトエラーを起こしやすいLSIであるSRAMについて、簡単な電気測定からそのソフトエラー耐性を推定できる可能性を見いだした。本研究は、その背景物理や適用範囲を明らかにして、ソフトエラー耐性スクリーニングの実現を目指す。
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研究成果の概要 |
マイクロプロセッサのようなデジタル半導体チップにとって重要で、かつ、放射線ソフトエラーに弱いLSIとして知られるSRAM(Static Random Access Memory)に着目して、「断面積」と呼ばれる放射線ソフトエラー耐性を示すパラメーターと「データ保持電圧」と呼ばれる電気パラメーターの相関について研究した。その結果、放射線ソフトエラー耐性を記述する新しい数理モデル(方程式)の開発に成功した。そこにはデータ保持電圧だけでなく、放射線の強さを示すパラメーターやSRAMの電源電圧や回路構造のパラメーターも組み込まれており、放射線試験をしなくてもソフトエラー耐性についてわかることが増えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
開発した数理モデル(方程式)には従来のようなフリーパラメーターがなく全てのパラメーターの物理的意味が明解という特徴があり、放射線の強さや電源電圧が変わったらソフトエラー耐性がどう変わるかが一目でわかる。このことはソフトエラー耐性が何で決まっているかを明確にした点で学術的意義がある。また、パラメーターが変わったとき(例えば動作電圧を変えたとき)に改めて放射線試験をしなくてもわかることが多い。コストが高いことで知られる放射線試験の回数を減らしても半導体の信頼性を担保できる可能性を示した点で社会的意義がある。この数理モデル(方程式)を発表した論文は最優秀論文賞を受賞した。
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