研究課題/領域番号 |
20H02241
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
前田 健一 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50271648)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 落石 / 落石対策 / 緩衝効果 / 粒状体 / マルチスケール / 二重性 / マイクロメカニクス / 個別要素法 / トライポロジ |
研究開始時の研究の概要 |
粒子~粒子骨格~連続体という「マルチスケールな視点」と離散的な粒子性と連続的な波動性の両面の特性を持つ「二重性の視点」という独創的な視点による考察である。 土の緩衝材を介して構造物に作用する伝達衝撃力の最大値を決めるのは、落石衝撃力の最大値だけでなく継続時間・波形性状の影響や粒子間回転・接点間の剥離・すべりを伴う不可逆な塑性応力波の伝播過程の応力減衰の影響が強いことを明らかにする点である。さらに、工学的価値が高く、簡易な衝撃力波形の推定方法も提案する。本成果は土の緩衝メカニズム解明の大きな突破口であり、地盤・衝撃・物理の力学の分野の壁を超えた学際的・学術的価値の高い独創的な研究成果をもたらす。
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研究成果の概要 |
画像解析を活用した測定を取り入れた衝撃実験や個別要素法解析によって、土内部の局所的な変形挙動や伝達応力について、いままで見逃されていた現象の可視化に挑戦した。また従来のように土を連続体レベルだけで捉えるのではなく、粒子レベル、粒子が連なった粒子骨格レベルといったマルチなスケールで観察し、それらの相互作用から緩衝メカニズムを深掘りした。さらに、衝撃力の緩衝挙動を粒子自体の特性が顕著に表れる粒状体としての性質(粒子性)と波として伝播する性質(波動性)の二重性で捉えた。マルチスケールと二重性に着目した土の緩衝効果メカニズム解明は世界に類のない、物理学、衝撃工学、地盤や構造力学を跨ぐ学際的成果である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
土を利活用した緩衝材の落石のエネルギー吸収能力や衝撃力伝播特性の評価は斜面防災や落石対策工の長寿命化において重要で科学的にも魅力的な課題である。そこで、土の粒子レベル、応力が集中する粒子骨格を意味する応力鎖のレベルや連続体レベルのマルチなスケールの視点で、従来は見落とされていた衝撃力の伝達メカニズムを解明した。模型実験方法や数値解析方法の開発を行い、応力鎖の発生・消滅、亀裂や塑性波の伝播、密度変化などを可視化した。土―構造物系の衝撃応答を深く理解し、土を積極的に利活用することで落石対策工の効率化・長寿命化方法を提案し、落石対策のパラダイムシフトに大きく貢献した。
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