研究課題/領域番号 |
20H02261
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
宮本 仁志 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50283867)
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研究分担者 |
戸田 祐嗣 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60301173)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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キーワード | 河川工学 / 環境水理 / 河道管理 / 河川樹林化 / 河川管理 / 環境水理学 / 水工学 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の多くの河川で経年進行する樹林化に対して、本研究では、近年頻発する豪雨災害に鑑み、「早急に対処しなければならない樹林化」と「残しておいても大丈夫な樹林化」を合理的に判別する新しい河川技術の開発を行う。まず、現地観測によって樹林化河道の消長過程を実証的に調査し、樹林化現象が顕在化する空間スケールとその経時変化特性を検討する。次に、観測事実から得られた樹林化特性を用いて解析モデルによる分析を行い、対象河道の治水安全性と樹林化傾向の相互影響関係を確率的に評価する。そして、その結果から河川水系各所の河道に優先順位をつけ、治水安全の観点から戦略的に河川を管理するために最適となる工学的手法を提案する。
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研究成果の概要 |
本研究では、樹林化した河川の管理手法に関して、現地観測データの分析手法と解析モデルの開発を検討した。観測データ分析では、ドローンによって樹林化河川の経年変化調査を行い、深層学習による精緻な河川地被状態の自動判別モデルを開発し、洪水後の礫河原維持・樹林化再生の素過程を定量評価した。解析モデルでは、決定論的モデルを用いて洪水流による河道地形・植生変化や人為的な伐採後の植生回復状況を再現し、確率論的モデルを用いて洪水規模の違いによる樹林化傾向と治水安全評価の分析を行なった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本の多くの河川では1970年代までは10%であった樹木面積が2000年には20%に増加し、全国的に河川の樹林化傾向が顕著である。この河道樹林化は、洪水の流下能力を低下させ、下流で流木被害を引き起こし、平常時の砂州生態系を変質させるなど、河川環境管理上で様々な課題を呈している。本研究の成果はこの課題に対し、最新のドローンとAIによる河川モニタリング手法を開発し、数値解析モデルによる河川生態系・治水安全度の経年変化に対する分析技術を開発したものであり、最近毎年のように頻発する豪雨水害の現状を鑑みると、地球温暖化に適応的な安全・安心の社会発展に資する学術的・社会的意義がある。
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