研究課題/領域番号 |
20H02284
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
原本 英司 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (00401141)
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研究分担者 |
北島 正章 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (30777967)
端 昭彦 富山県立大学, 工学部, 講師 (70726306)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
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キーワード | ウイルス / ファージ / 糞便汚染源解析 / 公共用水域 / 水環境 |
研究開始時の研究の概要 |
水環境中の糞便汚染源の解析は,影響の大きな汚染源を特定して適切な負荷低減対策を講じ,水の微生物学的安全性を保障する上で重要となる。本研究では,ウイルスやファージが高い宿主特異性を有することに着目し,糞便汚染源となり得る試料(下水や畜産排水,動物糞便等)中で優占的かつ特異的に存在するものを「ウイルス遺伝子マーカー群」として利用することで,水環境中の糞便汚染の実態を可視化する手法を開発することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では,宿主特異性が高いウイルスやファージを微生物遺伝子マーカーとして活用した水環境中の糞便汚染評価法の開発を試みた。新たな微生物遺伝子マーカーとして体表面吸着大腸菌ファージに着目し,遺伝子型レベルで検出することで糞便汚染源解析が可能となるかどうかを検討した。また,ウイルスのみならず,バクテロイデスやミトコンドリアDNAも対象に加えて糞便汚染源を一度の測定で同定可能とする技術として,マイクロ流体工学に基づくハイスループットリアルタイムPCRを用いた測定法を開発し,大腸菌の測定のみでは捉えることができない野生動物による糞便汚染の実態を評価可能とする技術を構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2022年4月に水質環境基準の衛生指標が大腸菌群から大腸菌に改正され,水環境中における大腸菌の存在実態に関する知見が蓄積されていくことに伴い,基準超過地点に対する対応策を検討していくことが重要となる。本研究の成果は,宿主特異性の高いウイルスやファージを遺伝子マーカーとして用いることにより,これまでは明らかにされてこなかった水環境中の糞便汚染源に関する知見を得ることを可能とするものであり,世界的に見ても非常に高い学術的成果が得られている。水環境中の糞便汚染源を明らかにし,高度下水処理の導入等の適切な排出負荷低減対策の実施へと繋げることで,健全な水環境の構築に貢献でき,社会的意義も高いと言える。
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