研究課題/領域番号 |
20H02286
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大下 和徹 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90346081)
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研究分担者 |
福谷 哲 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (00332734)
日高 平 京都大学, 工学研究科, 准教授 (30346093)
日下部 武敏 京都大学, 工学研究科, 助教 (40462585)
高岡 昌輝 京都大学, 工学研究科, 教授 (80252485)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2020年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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キーワード | Power to Gas / バイオメタネーション / 有機性廃棄物 / メタン発酵 / 水素 / バイオガス / 下水汚泥 / LCCO2 / 食品廃棄物 / 余剰電力 / 廃棄物系バイオマス / 有機酸 / 廃棄物系湿潤バイオマス / 水素資化性メタン生成細菌 / Power to gas / 数理モデル / 反応阻害 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、欧州で研究が先行する風力発電や太陽光発電など、自然変動型再生可能エネルギー由来の余剰電力をガスに変換する“Power to Gas”の概念により得られる水素を用いた有機性廃棄物メタン発酵の高度化、バイオガスの高品質化を目的とする。 具体的には、下水汚泥、家畜糞尿、食品廃棄物等、廃棄物系バイオマスとしての有機物基質の種類や濃度、微生物叢、反応温度、水素添加方法を変化させた、水素添加型メタン発酵実験を伴う種々の分析・解析を行う。この結果、バイオガス中メタン濃度が確実に上昇できる条件に加えて、反応阻害が生じない持続可能なシステムとして成立する条件を、学術的に体系化する。
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研究成果の概要 |
再生可能エネルギー由来の余剰電力を用いた水素による有機性廃棄物のメタン発酵の高度化を目的とし、食品廃棄物と下水汚泥を用い、水素添加型の高温メタン発酵実験を行った。連続式にて、水素添加量をCO2に対し4理論当量で添加することで水素資化性メタン生成古細菌が増加し、CH4濃度は 60%から80%以上まで上昇したが、過剰な水素添加では、発酵阻害が生じた。これらの現象を表現できる数理モデルを構築した。本システムをLCCO2、LCCの観点から評価したところ、CO2排出量についてはCH4濃度の更なる高度化、コストについては、水素電解装置が最も影響し、安価な水素製造がシステムの構築には必須であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
下水汚泥や、食品廃棄物なども含んだ基質種などの変化や水素添加量の増減が与える水素添加型メタン発酵への影響について、学術的な体系化に資する結果を得ることができた。 近年では、九州地域で、余剰電力による出力調整が生じていること、メタン発酵槽を有する下水処理場内に、太陽光パネルを設置する例もみられており、将来的に日本でも本システムが実用化される可能性は高い。さらには、化石燃料などの熱分解で生じた水性ガスを水素源として、石炭・石油火力発電所、セメント・製鉄工場、廃棄物焼却施設から発生するCO2をメタン化し、温室効果ガス排出量抑制に大きく寄与できるものと考えている。
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