研究課題/領域番号 |
20H02287
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
金田一 智規 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (10379901)
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研究分担者 |
青井 議輝 広島大学, 統合生命科学研究科(先), 准教授 (40386636)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 活性汚泥 / 微生物ダークマター / CPR細菌群 / 分離培養 / Patescibacteria |
研究開始時の研究の概要 |
活性汚泥にはいわゆる微生物ダークマターと呼ばれている門レベルの系統分類群を構成するCPR(Candidate Phyla Radiation)細菌群が無視できない割合(4~13%)で存在している場合がある。本研究では、活性汚泥内で安定的に培養されているCPR細菌群の代謝機能と下水処理プロセス内での生態学的役割を解明し、さらには集積培養およびその後の分離培養を試みる。具体的には、①メタゲノム解析による存在量と代謝機能の同時把握、②MAR-FISH法による基質利用特性の把握、③高濃度微生物保持リアクターによる集積培養、④新しいコンセプトに基づく分離培養法の四つの技術を組み合わせて目的を達成する。
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研究実績の概要 |
本研究は活性汚泥から高頻度で検出されるCPR細菌群(Patescibacteria)であるTM7(Saccharibacteria)門、SR1(Asconditabacteria)門、BD1-5(Gracilibacteria)門、OD1(Parcubacteria)門を対象とし、提案する分離培養戦略に基づき、4年間でCPR細菌群の代謝機能と下水処理プロセス内での生態学的役割を解明し、集積培養系の確立および分離培養を試みることを目的とする。具体的には①活性汚泥中のCPR細菌群の存在量・細胞形状の把握、メタゲノム解析による代謝機能の推定を行い、②MAR-FISH法によりCPR細菌群が増殖可能な有機物を特定し、理想的な培養条件を把握する。③これまでに実績のある高濃度微生物保持バイオリアクターを用いてCPR細菌群の集積培養を行う。④微小テクノロジーを活用した新規微生物反応場(微生物間相互作用)に基づく分離培養手法を適用する。 2022年度はPatescibacteriaのゲノムに含まれる16S rRNA遺伝子配列の全長を抽出し、系統樹作成ソフトARBを用いてPatescibacteriaに特異的なFISH(蛍光in situ hybridization)プローブの設計を行った。その結果、TM7門とBD1-5門の2つのプローブについて設計することができた。FISH法による観察結果では、TM7門とBD1-5門ともに設計したプローブの蛍光に加え、EUBmixおよびDAPIの蛍光と重なることが確認でき、TM7門とBD1-5門の細菌を標的とするプローブの設計に成功した。また、顕微鏡観察の結果から、BD1-5門の細菌は活性汚泥中に存在するZoogloea属細菌と近接して存在しており、寄生・共生関係を構築していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
活性汚泥サンプル中のPatescibacteriaの可視化に成功した。また、活性汚泥内でPatescibacteriaの宿主となる可能性の高い細菌グループの候補をみつけることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は活性汚泥内でPatescibacteriaの宿主となる可能性の高い細菌グループの候補を絞り、共培養を試みる。その際に必要となるPatescibacteriaが増殖可能な有機物をMAR-FISH方やアミノ酸を炭素源とした回分試験との組み合わせにより特定する。さらにPatescibacteriaを定量するための定量PCR法のプライマーセットの設計も試みる。新規分離培養手法の開発も進める。
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