研究課題/領域番号 |
20H02289
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 (2021-2023) 大阪薬科大学 (2020) |
研究代表者 |
東 剛志 大阪医科薬科大学, 薬学部, 助教 (10634222)
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研究分担者 |
臼井 優 酪農学園大学, 獣医学群, 教授 (60639540)
村上 道夫 大阪大学, 感染症総合教育研究拠点, 特任教授(常勤) (50509932)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 病院排水 / 薬剤耐性菌 / 薬剤耐性菌遺伝子 / 抗菌薬 / オゾン処理 / 不活化処理 / 定量的微生物リスク評価 / 高度水処理 / リスク評価 / UV-LED消毒 / 医薬品類 / 消毒処理 / 流域水質管理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、医療機関から公共下水道に放流される排水を対象にして、臨床現場における出現と蔓延が世界的に進行しつつあり、環境領域を含めて対策が求められている薬剤耐性菌と、環境汚染物質として社会的な関心が高まりつつある医薬品成分の存在実態を明らかにする。そして、これらの汚染物質の不活化に有効な消毒処理技術の開発と有効性の評価を行い、医療機関において排水処理を行うことによる環境リスク低減・緩和対策の有効性の評価を試みる。本研究により得られる成果は、医療と環境とのバランスを探る有益な知見となり、薬剤耐性菌(AMR)蔓延防止アクションプランやOne Healthアプローチの一助となることが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、水環境中における薬剤耐性菌と残留抗菌薬の実態を把握するために、病院から公共下水道に放流される病院排水と、これらの排水を処理する下水処理場、処理後の放流水が流入する河川をあわせて対象とした調査を行うとともに、各種排水処理による不活化実験を試みた。その結果、薬剤耐性菌が数CFU/mL~数千CFU/mL、抗菌薬については数ng/L~十数μg/Lと非常に幅広い濃度レベルで医療排水中に存在していることを明らかにした。これらは抗菌薬はオゾンをベースとした高度処理により効果的な不活化を行うことが可能であり、水処理の高度化を行うことが有効な対策の1つとなりうることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、医療機関に由来する排水中に存在する薬剤耐性菌と残留抗菌薬の存在実態と環境への負荷影響を明らかにするとともに、環境中に流入するこれらの新たな汚染物質による環境リスクの削減又は軽減対策として、水処理の高度化の展望を明らかにしている。本研究により得られた成果は、医療先進国であることが知られている日本において意義深く、世界的に対策を行うことが喫緊の課題になっている薬剤耐性(AMR)対策アクションプランの一助となると考えられる。また、欧米等の先進国や、急速に発展を続けるアジア諸国においても同様の対策検討の発展への寄与が期待される。
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