研究課題/領域番号 |
20H02290
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 一関工業高等専門学校 (2021-2023) 長岡工業高等専門学校 (2020) |
研究代表者 |
荒木 信夫 一関工業高等専門学校, その他部局等, 校長 (30193072)
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研究分担者 |
川上 周司 長岡工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (00610461)
青木 仁孝 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境保全領域, 研究員 (80775809)
押木 守 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (90540865)
渡利 高大 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (90800540)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 都市下水処理 / 窒素除去 / 好気性脱窒素反応 / 好気性脱窒素細菌 / 好気性脱窒素 / 好気性脱窒反応 / 全窒素除去 / エアレーションタンク / 脱窒素細菌群 / 脱窒素反応 |
研究開始時の研究の概要 |
都市下水の処理水の放流は自然水系の富栄養化現象の一因となっている。閉鎖性水域を抱える一部地域ではこれを防止するために嫌気好気法などの高度処理が適用されている。しかし、通常の活性汚泥法でも運転条件によっては高度処理と同等の窒素除去性能を示している場合もある。本研究は好気性脱窒細菌の定着と能力を最大限に引き出す運転条件を明らかにし、標準活性汚泥法のエアレーションタンク単槽でも現在の高度処理と同等の窒素除去能力を達成する技術を開発する。
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研究実績の概要 |
都市下水を処理する活性汚泥内に生息する好気性脱窒細菌を特定するために、好気性脱窒現象が見られているA処理場と回分式のB処理場から汚泥を採取し、好気性脱窒培地にて培養後、iSeqによる遺伝子解析から細菌種の同定を行った。。培養中のDO値を2~3mg/L、3~5mg/L、5mg/L以上の3段階に分けて培養を行ったところ、DOが高まるにつれて細菌種の多様性が低下し、DOが3mg/L以上の二つの系でRheinheimera属が優占した。これは酸素に耐性のある細菌種が集積されたと考えられ、Rheinheimera属がDO耐性の高い好気性脱窒細菌である可能性が示唆された。 昨年度までの研究で得られていた好気性脱窒集積培養系(下水処理活性汚泥由来)の1つを対象にメタゲノム解析を適用したところ、Aeromonas属に帰属する比較的高品質なMetagenome-Assembled Genome (MAG) が得られた。このMAG配列においては、好気性脱窒反応に関与することが知られている硝酸還元酵素遺伝子napABの存在が確認され、本集積培養系に存在するAeromonas属細菌の好気性脱窒反応への関与が示唆された。 好気性脱窒活性をin-situでモニタリングするための技術として、溶存酸素濃度、硝酸態イオン濃度を同時にモニタリングし、両者の消費活性を測定する装置を作成し、都市下水処理場活性汚泥を用いて性能評価を行った。活性汚泥に酢酸を電子供与体、硝酸態窒素を電子受容体として供与し、好気性脱窒条件下で培養したところ、DOと硝酸態窒素の消費を連続して測定できることが明らかとなった。現在、本装置を用いて、各種活性汚泥の好気性脱窒能の測定を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
都市下水処理場に設置し、脱窒素された窒素成分に占める好気性脱窒素の割合を評価する実験が進行していない。設置場所や生都市下水の流入口などの問題があり、これから急いで解決する。
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今後の研究の推進方策 |
大型の実験装置のエアレーションタンク内での好気性脱窒素のin-situでの活性を評価する。また、エアレーションタンク内の溶存酸素濃度(DO)、都市下水のC/N比、ステップエアレーショ運転方式などの条件を変化させ定常運転を実施する。この実験によってエアレーションタンク内で好気性脱窒素が卓越する環境・運転条件を明らかにする。
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