研究課題/領域番号 |
20H02293
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊山 潤 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30282495)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 構造ヘルスモニタリング / ひずみ計測 / 鉄骨構造 / 損傷検知 / 常時微動 / 構造実験技術 / 振動台実験 / 損傷検出 / モニタリング / 耐震性能 / レジリエンシー / 動ひずみ計測 / 地震後損傷検知 / 柱脚 / 被災度区分判定 / 鉄骨柱脚の損傷検知 / 機能維持 / 加速度計測 / 実建物 / 構造性能 / 性能評価 / 被災度判定 / 鉄骨構造部材 |
研究開始時の研究の概要 |
建築設計の際には構造設計により構造性能を確認してから建設するが、建設された後、実際に建物のなかの鉄骨構造部材がどのような挙動をし、どのような性能を有しているかを評価する技術は確立されていない。これを直接的に評価するには、ひずみを計測することがもっとも簡単かつ有益であるが、高コストである点やデータ分析手法が確立されていないなど、多くの課題が残されている。本研究では、IT/IoT技術の活用により安価な微小動ひずみ計測システムを構築して実建物に適用し、構造解析計算と直接的に比較することにより部材レベルでの構造性能を評価する手法に関する課題の整理と克服を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、鉄骨造建物において動ひずみ計測および加速度計測に基づき、地震後の建物の安全性や修復の必要性を即時に判定する、実用的な技術の確立を目指すものである。低価格かつ必要十分な性能を有する高い動ひずみ計測システムの構築に加え、微小なひずみ振動計測に基づく鉄骨部材の破断や曲げ変形の検出理論を構築した。また、各種の実大振動台実験や実構造物に適用し、このシステムが十分な実用性を有し、かつ合成梁の合成効果の低下など、極めて微細な損傷を検出可能であることを明らかにできた。さらに今後様々な構造部材や非構造部材の損傷検知技術に展開するための実験技術を開発し、実大構造試験装置という形でその実例を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
構造物の動ひずみ計測は実験室レベルではすでに一般的な計測技術であるが、極めて高コストであった。これを実建物にも適用できるまで、低コスト化、簡便化しつつ、必要十分な性能を確保することができた。また、日常的な微小振動によっても、構造物の性能や損傷が評価可能となったため、大地震襲来中の計測が必ずしも必要ではなくなり、計測維持のためのコストも低減できた。この結果、本システムの適用性・実用性を大きく高めることができ、地震後の残存性能評価や修復必要部位を特定する技術を広く一般に普及させる基礎を確立できた。これらの技術普及により、レジリエントな建物や都市の構築に貢献できることが大きく期待される。
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