研究課題/領域番号 |
20H02337
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野村 俊一 東北大学, 工学研究科, 准教授 (40360193)
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研究分担者 |
川本 慎自 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (30323661)
塚本 麿充 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00416265)
溝口 正人 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 教授 (20262876)
鈴木 智大 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 室長 (60534691)
海野 聡 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (00568157)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 禅院 / 禅宗様 / 山水 / 建築 / 禅宗 / 空間 / 禅宗寺院 / 様式 / 形態 / 技法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の大きな目的は、同時代の東アジアにおける最先端情報の一大集約拠点として君臨した中世の禅院に焦点を当て、建築の「形態」・「空間」・「技法」に関する情報がどのように取り入れられ、文脈を超えて多方面に影響を与えたのか、そしてこれら情報がいかに実在の建築として具現化したのか、外交渉史的かつ学際的・国際的に検討することである。 そして以上の検討を経て、禅院の建築および禅宗様という建築類型を再検討することも視野に入れながら、当時の社会と政治などの文脈も加味し、時代的区分・地理的区分・宗派的区分を考慮し、情報拠点としての禅院という評価のもと、中世建築の系譜を再定義することが最終目的となる。
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研究成果の概要 |
コロナ禍のため海外調査は行えなかったものの、オンラインを活用した研究会の開催や国内調査を通じて新たな知見を得た。野村俊一は「唐様」と対となる「和様」の建築様式を、その生成過程から再検討し、自ら編纂した『空間史学叢書』の特集記事としてまとめた。また、建築史学会でシンポジウムを企画し、建築様式の詳細な再検討を行った。溝口は戦国時代の大内館における二階建て建築の系譜を明らかにし、川本は中世禅僧による中国建築知識の受容について考察した。さらに、国内の中世仏教建築の実態調査を進め、多くの情報収集を行った。特に、愛知・鳥取・島根・熊本の建造物を中心に、内部空間の意匠や技法に関する情報を収集した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、東アジア木造文化圏という包括的な視座のもと、「唐様」と「和様」の概念的再検討から、日本中世建築様式の再評価とその背景の理解が進捗したことにある。野村俊一の「和様」をめぐる一連の研究は、「唐様」との対比により、日本独自の建築様式の展開を浮き彫りにした。また、溝口と川本の研究は、戦国時代や中世の建築技術と中国からの知識受容の関係性を明らかにし、建築史に新たな視点を提供した。また、愛知、鳥取、島根、熊本などの中世における建造物に関する情報が、中国建築との影響関係のもと包括的に、かつ建築様式論の観点からより詳細に解釈することが可能となった。
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