研究課題/領域番号 |
20H02341
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中谷 礼仁 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30267413)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 集落調査 / 高地集落 / 水系調査 / 僻地の流通 / COVID-19 / フィールドワーク / 東アジア / 流域文化 / 交通経済 / 遊牧民 / ヒマラヤ / ぞミア / 地域経営 / 高地居住 / ゾミア / 交易集落 / Buildinghood / 茶馬古道 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒマラヤ山脈沿いの交易中継地であった中央ネパール・トクチェ(Tukuche)と周辺集落を対象とした文献と現地調査を行う。さらに集落持続の主要因を、インド・ヒマラヤ・雲南との主要交易路(塩の道、茶馬古道)による歴史的ネットワークに見出す。これを作業仮説として同交易路沿いの複数の集落の立地と構法と生業を考察時の比較対象とする。調査にあっては①高地集落がいかなる生活・建築様式を築いたか(環境適合性/非適合性)②いかなる経済活動と生活圏を構築したか(交通・経済・生業)③集落外に居住する成員にとって出自集落はどのような意味を持つか(集落存在の根拠)という三要素の連関性を明らかにして上記目的を達成する。
|
研究成果の概要 |
本研究は申請後に発生したCOVID-19によって現地調査が不可能となった中央ネパールの一集落の総合調査方法を国内の高地集落の分析に用い検討したものである。経済活動と流通経路とを含んだ広域的理解による高地の生業基盤の把握を普遍的方法として捉えた。 日本における研究対象地として高地において特色ある産業を歴史的に有していた秋田県阿仁川流域(マタギ)、徳島県那珂川流域(林業)、中国地方高梁川、日野川、甲斐川流域(たたら製鉄)を取り上げ、それら産業のための流通と生活様式、生産連関について比較考察を行った。結果として高地、低地間に相補的な産業流通が歴史的に存在し、その中間に交易用の地域があることを見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は地域の史的評価を周辺地域との動的な人的、物的、文化的、経済的流通を合わせて考えようとした。これは近年では領域史やイタリアから発祥したテリトーリオという学的枠組みに近親性を持つ。 本研究の独自性は、研究対象を遠隔、高地の地域としたことである。従来の類似研究において、その最終的な対象は産業、政治、文化的中心地に向けられることが多かったのに対し、本研究ではその逆として、遠隔高地の存立に目を向けたところに独自性があった。日本国内における現地調査地の高地ではその土地に見合った独自の産業が発達しているとともに、それは特に水系によってつながる他地域との需要関係に密接な関係があることを明らかにした。
|