研究課題/領域番号 |
20H02364
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
井上 順広 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (80251677)
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研究分担者 |
広瀬 正尚 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50824207)
渡邊 和英 海上保安大学校(海上保安国際研究センター), 国際海洋政策研究センター, 准教授 (90811000)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 低GWP / 排熱回収 / 熱交換器 / ミニチャネル / 流動特性 / ミニチャンネル / 細径 / 凝縮 / 蒸発 / 伝熱性能 / 伝熱 |
研究開始時の研究の概要 |
HFC系フロンから温暖化係数(GWP)の小さい次世代低GWP作動媒体の動力用、産業・家庭用冷凍空調機器等へ使用が地球温暖化防止のため必死の情勢となっている。本研究では、新規開発の高温用次世代媒体を船舶機関からの低温排熱を有効利用できる舶用バイナリー発電装置や高効率蒸気生成・給湯機器の作動媒体として使用するミニチャンネル熱交換器(同一能力でプレート式から容積を7分の1にできる)の設計開発、高性能化を目的とする。さらに、次世代媒体の凝縮・蒸発伝熱および圧力損失について流路構成・形状を変化させたミニチャンネル熱交換器を実験的に基本性能を検証し、流路構成・形状の最適化の指針を得る。
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研究実績の概要 |
本研究は、船舶搭載機器のみならず民生用エネルギー消費の6割を占める冷凍空調・暖房給湯需要の高効率・省エネ化にも応用できる新規に開発された高温用作動媒体であるR1233zd、R1234ze、R1336mzz、R1224ydおよびそれら混合作動媒体のミニチャンネル熱交換器内の凝縮・蒸発伝熱特性および圧力損失、流動様式などの基礎特性を把握し、流路構成・形状の最適化の指針を得ることを目的としている。 研究3年目である2022年度は、次世代低GWP作動媒体R1233zd、R1234ze、R1336mzz、R1224ydおよびその混合作動媒体の蒸発・圧力損失データの取得を行った。昨年度までの研究で取得したR245faやR245faを主成分とするR245fa/R134およびR245fa/R1234ze(E)混合作動媒体の平滑管・各種溝付管の凝縮・蒸発伝熱特性および圧力損失を基準値として、それらの代替である次世代低GWP作動媒体のミニチャンネル熱交換器内の凝縮・蒸発伝熱特性および圧力損失などの基礎特性を検討した。また、従来熱交換器の細径伝熱管内のデータ取得を同様の代替冷媒で行い比較し、積層型マイクロチャンネル熱交換器の優位性を実証し、流路構成・形状の最適化の指針の方向性を示した。 同時に伝熱特性とミニチャンネルの流路構成・形状との相互関係および物理現象を検証するための可視化セクションの製作・測定を進め、種々の実験条件で流動様相の観察、解析を行った。 (分担者1)作動媒体R245faおよびその代替となる次世代低GWP作動媒体R1233zd,R1336mzz,R1224ydを用い, 高温ヒートポンプシステムに積層型マイクロチャンネル熱交換器を使用した性能解析を行った。 (分担者2)比較基準の従来径管の流動可視化実験を行い、計測・解析を行った。また、代替冷媒の凝縮・蒸発実験を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍が継続し、分担者との連携が当初予定で想定したようには進んでいないのは、昨年度も同様であった。当初予定から変更してが分担者個々で実験検証が行えるよう装置の一部移設により実験装置製作を進めてたことで、ほぼ実験装置の改良等は終了し、予備実験が行える段階まで進捗した。同時にこれまでに蓄積したデータ等をもとに、その解析・考察により国内の論文・学会発表等に注力した。しかしながら、半導体不足などで測定機器等の入手に遅れが生じ、当初予定とは遅れているのが現状である。 本学側では、これまでの遅れを取り戻し、各種純冷媒および混合冷媒の凝縮・蒸発実験を行った。可視化実験装置についても完成し、撮影・照明のノウハウなどを確立するとともに、詳細な流動様相の観察・解析を行った。 (分担者1)昨年度もコロナの影響により県外への往来ができず、東京海洋大学の実験装置を使用した研究が進められなかったため、海上保安大学校でも研究を遂行できる性能解析を行い、これまでに取得している実験結果の検証および今後の実験条件の検討を進めた。同時並行で性能解析結果を海保大内で単独で検証できるよう実験装置の製作を行い、予備実験の段階まで進捗した。 (分担者2)コロナ禍で移動の制約から、東京海洋大学の実験装置を使用した研究が進められなかったため、鳥羽商船高等専門学校において比較基準となる従来径管や単管ミニチャンネル利用して研究を進めてた。同時並行で単独で高専内で検証できるよう実験装置の製作を行い、高専内で単独で検証できるようになり、予備から初段階の実験のまで進捗して再現性の検証を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、昨年度の性能計算予測結果に基づき次世代低GWP作動媒体R1234ze、R1336mzzを中心にその混合作動媒体の凝縮・圧力損失・流動様式データの取得を行い、伝熱特性と ミニチャンネルの流路構成・形状との相互関係および物理現象の検証するを行う。 (1)R1234ze、R1336mzzおよび混合作動媒体による実験の設定各種パラメータ・実験条件の検討 (2)各種実験条件による伝熱・流動可視化実験 (3)再現性の確認実験 (4)実験データの解析/考察・公表論文等の作成・発表 を予定している。 (分担者1)性能解析による各種冷媒ごとの実験条件の検討結果を整理するとともに、高温用ヒートポンプ実験装置の製作を継続して行い、R1234ze、R1336mzzなどによる実験各種冷媒毎の実験データの取得を行い、性能解析と実験の比較を行う。 (分担者2)比較用の従来径管の可視化実験を進めるとともに、圧縮式ヒートポンプ実験装置の製作を進め、R1234ze、R1336mzzなどによる実験データの取得を行い、データ解析・考察等を行うとともに、従来径管との比較を行う。
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