研究課題/領域番号 |
20H02368
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
勝井 辰博 神戸大学, 海洋底探査センター, 教授 (80343416)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 低摩擦型塗料 / 粗度抵抗 / 粗度関数 / LDV / 船舶性能 / 塗膜粗面 / 摩擦抵抗 / 実船性能 / 回転円筒試験 / 回転円筒 / 摩擦抵抗算定法 / 流体摩擦抵抗 / 回転二重円筒 / 平板乱流境界層 / 船底塗料 |
研究開始時の研究の概要 |
防汚を目的に船舶の外板に塗布される塗料は,船舶に作用する摩擦抵抗が増大させ,燃費の悪化を招く。近年,低摩擦型の塗料が多数開発されているが,それらによって実船の燃費がどの程度改善するかを精度よく推定できる方法はない。本研究では,これまでに開発した平板摩擦抵抗算定法に各種ペイント粗面の粗度関数を組み込むことで,それぞれのペイントによる燃費改善の定量評価を可能とすることを目的とする。ペイント粗面の幾何学的特徴と粗度関数の関係を明らかにするために,回転二重円筒試験装置を用いて流場から各種ペイントの粗度関数を直接計測することを試みる。
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研究成果の概要 |
本研究では塗膜粗面を波状粗面と捉え、その波長波高比によって粗度関数が変化するとの推察のもと、回転円筒装置を用いて粗度関数を計測することを試みた。回転円筒の回転トルクと円筒表面近傍の速度分布をLDVによって詳細に計測することによって、波長波高比が異なる3種の塗膜粗面に対して粗度関数を算定した。塗膜表面の形状はレーザー変位計によって計測している。その結果、塗膜の粗度関数は一般的な砂粗度の粗度関数とは異なり、波長が長いほど小さくなること、また高粗度レイノルズ数域での挙動は上に凸の関数となり、概ね一定値に近づく傾向があること、その一定値は波長が長いほど小さいこと、などが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、船舶の脱炭素化に向けた動きが活発化しており、その一連の動きの中で既存船に対しても二酸化炭素排出量に規制がかかるようになっている。このため、船舶の燃費性能向上がこれまで以上に必要とされており、その一つの手法として低摩擦型塗料の開発が進められている。低摩擦型の塗料は有望な手法と目される一方、その実船燃費低減量を定量的に評価する手法がないことが難点であった。本研究では塗膜粗面を波状粗面と捉え、その波長波高比によって粗度関数がどのように変化するかを実船粗度レイノルズ数域で初めて調査した。これにより、低摩擦型塗料の性能評価法について新たな指針を示すことができたと考える。
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