研究課題/領域番号 |
20H02370
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
安川 宏紀 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (40363022)
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研究分担者 |
佐野 将昭 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (40582763)
平田 法隆 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (80181163)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
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キーワード | 漂流 / 走錨 / 水槽試験 / two-time scale法 / 浅水影響 / 運動安定性 / 船 / 風波 / 運動シミュレーション計算 / 振れ回り / 圧流 / 風浪 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,大型台風が我が国を襲うことが増えており,それに伴い停泊中の船が流されて,浜辺への座礁や橋などと衝突する災害が多く発生している。2018年9月,いかりを下ろしたまま強風で船がひきずられる「走錨」に陥ったタンカーが、関西空港の連絡橋に衝突する事故が発生したことは記憶に新しい。この走錨は,船乗りの間では良く知られた現象であるが,強風下の船が走錨に至る過程は大変複雑であり,それがどのようなメカニズムで起こるのか,十分には解明されていない。 本研究は,風浪下における船の走錨発生のメカニズムを解明し,その防止法を策定することにより,強風下における船舶の海難事故を大きく低減させることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,風浪下における船の走錨発生その後の船の漂流のメカニズムを解明した。縮尺模型船を用いた水槽試験と力学をベースとした船の運動を模擬できるシミュレーション計算により,研究目的を達成した。研究の流れは次の通り:(1)水槽試験による風浪下における船の走錨の再現とその後の船の漂流現象の把握, (2)理論計算モデルの開発と検証, (3)現象のメカニズム把握のための理論検討。 その結果,走錨後,船が漂流を始めると,外乱条件に関わらずほぼ真横状態で漂流すること,それは船が横を向いて漂流するという状況は,運動学的に最も安定であるためであることが分かった。そのような運動の理論計算法を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今まで,走錨後の船の漂流の特徴を明らかにした人はおらず,また,それらの現象を理論計算によってシミュレートした人もいなかった。今回の研究により,浮体の運動学の視野が大きく広がったと考えられる。 社会的には,走錨発生後の船の漂流のメカニズムが解明されたことによって,その防止法を策定することが容易となった。運悪く走錨後に船の漂流が始まると,船は真横に流されてゆくので,その特性を踏まえて,事故の対策を取る必要がある。この船の漂流の予測には,今回開発した理論計算法が使用できる。これによって,強風下における船舶の海難事故の低減が期待できる。
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