研究課題/領域番号 |
20H02372
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
後藤 浩二 九州大学, 工学研究院, 教授 (60274487)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
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キーワード | 疲労 / 特殊加工 / 溶接 / 構造・材料 / 維持管理工学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は「建造コスト増加を極力抑えつつ,メンテナンスフリーでも大幅に優れた耐疲労特性を有する溶接構造物建造手法の構築」である.従来の疲労性能改善手法では,長期供用後の処理部の経年変化の影響が十分に考慮されていない.本研究では建造直後の疲労性能改善を「溶接止端部へ炭素含有塗料塗布後にレーザ照射を行い,溶接止端半径の緩和と局部的高強度化」「レーザ・アークハイブリッド溶接の溶接変形低減効果による誘起二次応力の低減」により担保し,経年変化対策として「腐食代より深い部分の結晶粒微細化を建造段階で付与」することで,建造直後から長期供用後までの疲労強度改善効果を,建造段階で一括導入する手法を構築する.
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研究成果の概要 |
船舶・海洋構造物,橋梁,高層建築鉄骨構造等の大型溶接構造物の耐疲労性能を向上させることを目的に,建造直後から経年変化を考慮しつつ,複数の対処法を建造段階で一括導入する手法として,(1)レーザ局部照射により母材結晶粒を微細化することで亀裂伝播を抑制,(2)疲労亀裂発生領域に浸炭処理を施すことで硬化させ,疲労亀裂発生を抑制,(3)溶接継手製作方法としてレーザ・アークハイブリッド溶接を採用することで溶接変形に起因する二次応力を抑制,を達成するための施工条件を検討した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
溶接構造物の高サイクル疲労強度への主な影響因子は亀裂発生領域近傍の応力集中であるが,溶接により構造体を製作する以上これを回避することは難しい.本研究は建造本来の道具として導入する大出力レーザを,溶接止端部近傍の硬化や結晶粒微細化という疲労寿命改善効果が期待される複数の対策に活用することを考えた結果,応力集中場の生成が避けられなくとも大幅な寿命改善を達成した点が学術的かつ社会的に高い意義を有している.また,本研究で基礎知見を得た手法を用いれば,社会インフラである大型溶接構造体の寿命を大きく改善できるため,これに要する費用の削減が可能となる.
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