研究課題/領域番号 |
20H02385
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中田 和秀 東京工業大学, 工学院, 教授 (00312984)
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研究分担者 |
田中 未来 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 准教授 (40737053)
小林 健 東京工業大学, 工学院, 助教 (90913517)
水野 眞治 東京工業大学, 工学院, 教授 (90174036)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 最適化 / 機械学習 / モデリング |
研究開始時の研究の概要 |
最適化を行うにあたり困難となる「現実問題のモデリング」において、機械学習の手法を援用することにより自動でモデリングを行う。その結果として得られた最適化モデルの構造や性質を最大限利用することにより、効率よくモデルを解くアルゴリズムを開発する。さらに、この自動モデリングとアルゴリズムを多種多様な現実問題に適用し、その性能を評価すると共に、プロトタイプとなる事例をできるだけ多く作り出すことにより、社会での最適化技術のより一層の普及を目指す。
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研究実績の概要 |
機械学習によって自動モデリングを行う場合、予測の不確実性に対応する必要があるが、分布ロバスト最適化を行うことが有力な解決策である。そこで、実務的に重要な基数制約付きの分布ロバスト最適化を効率よく計算するためのアルゴリズムを考案した。次に、データから自動モデリングした関数の最小化(最大化)を行うためのアルゴリズムとして、局所線形回帰を用いた非厳密Frank-Wolf法を提案し、その理論的・数値的解析を行った。次に、特定のタイプの制約条件を持つ問題に対し、モデリング(予測)と最適化を効率よく行うためのアップリフトモデリング法を提案した。データが少ない状況下ではノイズの影響を受けやすくなるという問題が生じる。このような状況で有効なノイズに頑健な協調距離計量学習とモデリングと最適化を連動させて解決するフレームワークを考案した。最後に、多くの実問題を表現できることが知られているランク制約付きSDPを解くための解法を提案し、その理論的性質について分析した。 上記の研究に加えて、機械学習によるモデル化と最適化を組み合わせた応用研究として次の研究を行った。まず、タクシープローブデータを用いて、最適化を考慮した機械学習法の適用によるタクシー配車最適化やモデリングと最適化を同時に行う強化学習による流し運転最適化を行った。次に、株式価格や為替のデータを基にしたデータ生成系の構築と強化学習を融合することによってポートフォリオマネジメントを行う手法を提案した。次に、双方向の表示順バイアスを考慮してEnd-to-Endで学習することによりランキングの最適化を行う手法を提案した。最後に、電力データの時系列性や特許データの階層構造を利用して精度良く機械学習を実行できる手法を提案した。 これらの研究の成果は、4本の査読付き論文として公表し、4件の国際会議と13件の国内会議で研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果は査読付き論文や国際・国内会議で公表するところまで進んでおり、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
機械学習技術を用いた最適化モデリングと効率的なアルゴリズムの開発の研究を継続する。1つ目は、機械学習法により局所的な勾配を推定し、それを最適化に利用するものである。これにより、理論的に保証が得られるアルゴリズムが構築できる可能性がある。この研究を推し進め、査読付き国際会議に投稿することを計画している。2つ目は、特に現実によく現れる運搬経路問題に焦点をあて、その問題の特性にあった手法を導くものである。そのとき、実問題では予測結果のばらつきにも注意する必要があり、不確実性集合を用いたロバスト最適化を用いる。このため、ロバスト最適化における不確実性集合を逆最適化の概念を応用して定義する研究を進める予定である。この研究の成果も査読付き国際会議に投稿することを計画している。 また、応用研究として、近年急速に市場が拡大しているオンライン広告分野に着目し、機械学習と最適化を融合した問題解決を試みる事例研究を考えている。 基礎調査の結果、階層ベイズやバンディットアルゴリズムなどが有効ではないかと思われる。さらに上記の研究と並行して、これまで本研究者グループが数多く扱ってきた現実問題を含め、広く現実の最適化問題を収集し問題解決を図る。
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