研究課題/領域番号 |
20H02396
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
朝原 誠 岐阜大学, 工学部, 准教授 (40633045)
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研究分担者 |
平原 裕行 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (20201733)
姜 東赫 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (40610366)
宮坂 武志 岐阜大学, 工学部, 教授 (60303666)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
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キーワード | 高圧水素噴流 / 多孔板 / 噴流衝突 / 水素漏えい / シャドウグラフ / PIV / 速度分布 / 濃度分布 / 高圧水素 / 噴流 / ジェット火炎 / 運動量欠損 / 火炎 / 浮き上がり火炎 / リスク評価 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,高圧水素設備の保安距離代替措置として期待される多孔板設置の安全性評価を目指し,安全性評価ツールとして水素濃度予測式と火炎長予測式を導出する予測式を提案する. まずは,多孔板条件と設置距離を変数としてスケール化した速度予測式を導出し,続いて,速度と濃度の相似性から速度予測式を発展させ,水素濃度予測式および火炎長予測式を構築する.これらの式を使用した安全性評価により,低リスクとなる多孔板設置距離または多孔板条件を明示する.安全性評価では,現行水素ステーションで想定される漏洩条件において多孔板設置距離を変化させ,水素可燃濃度領域,水素濃度4%距離,火炎長が小さくなる多孔板条件を示す.
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研究成果の概要 |
噴流の速度低下(運動量欠損)は多孔板への抗力に変換されると考え、多孔板に働く抗力を測定し、開孔率、孔径が噴流の速度低下に与える影響を調査した。運動量欠損は孔径に依存せず、開孔率が小さいほど大きい結果を得た。これらの傾向は予想と一致したが、運動量欠損は開孔率よりも最大で20%ほど小さい。これは、孔側面の抵抗や、噴流軸から半径方向への速度分布と孔位置の関係が原因と考えられる。さらに、PIVにより噴流衝突における速度分布を取得した。多孔板下流では放射状に拡散しており、板無しの条件よりも噴流が半径方向に拡散することがわかった。その結果、噴流軸方向の水素到達距離が短縮されると考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素は最小着火エネルギーが小さく,可燃濃度範囲が広いため,水素の利用拡大における爆発リスクを低減するための対策が必要不可欠となる.そこで,水素漏えい時の爆発リスクを低減する方法として,本研究で効果が実証された多孔を有する障壁を設置する.無孔障壁では,壁の上流側で可燃濃度領域が形成されやすくなるが,多孔を有する障壁では,障壁上流の可燃濃度領域を縮小でき,さらに水平方向への噴流の拡散距離を短縮できる.そのため、水素エネルギー社会における安全性を向上し、社会的な貢献が期待される。また、多孔板へ衝突する噴流における運動量欠損と孔径および開孔率との関係が明確化され、学術的な進展も得られたと考える。
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