研究課題/領域番号 |
20H02397
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
|
研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
中村 祐二 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50303657)
|
研究分担者 |
松岡 常吉 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90633040)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
|
キーワード | 熱可塑性樹脂 / 燃焼 / 火災 / 溶融 / 突沸 / 移動数 / 燃焼特性 / 高分子 / 低圧 / 微小重力 / d2則 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,正確な把握が困難な熱可塑性プラスチックの燃焼特性を高精度で明らかにする方法論を確立することを目的とする.この実現のため,浮力の影響を排除しつつ,突沸を回避する手法を導入する必要がある.前者のためには微小重力場を活用することが考えられるが,本研究では利便性を考えて燃焼の相似則に基づき,低圧場を活用して一次元燃焼場(球状火炎)を実現する手法を採用する.気泡の突沸を避けるために,試料と類似の熱容量・熱伝導特性を持つ支持球周りに溶融試料を「薄肉シェル状に配置」した試料を用いる.以上により,理想燃焼状態での移動数(B定数)を求め,高分子の燃焼特性データベース作成に貢献する,
|
研究成果の概要 |
数値計算により燃焼流のポリマー流動が燃焼過程に大きく影響を与えることを明らかにした.その効果を排除すべく,グラスホフ数近似を活用により一次元燃焼を低圧場で再現させる手法を開発・改良した.燃焼中の温度計測(試料内部温度および気相の温度)を通じて質の高いB定数の取得が可能となった.燃焼データは既存の微小重力場を用いた一次元燃焼場のそれに近づくことを確認したが,既存の微小重力実験データは限られて試料のデータしか存在しないため,独自開発による微小重力実験を実施した(落下塔:コスモトーレを使用).これまで気泡形成抑制に効果的であったシェル構造試料でも気泡の破裂が確認され,気泡形成の解明が課題として残る.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
溶融とガス化を含めたプラスチックの非定常流動問題を数値的に解く手法の開発を行い,溶融挙動により着火タイミングが大きく影響を受けることを明らかにした.また3D観測可能な可視化法の開発により,流動が燃え拡がり現象にも影響することがわかった. そのような流動効果を抑制させるべく,グラスホフ数近似を用いて煤と無関係な熱可塑性高分子(プラスチック)の一次元燃焼特性を得る方法論を提供した.この提案は,燃焼問題で課題となる次元を落とす「簡略化」に役立つという学術的意義をもたらすだけでなく,プラスチックの燃焼性評価の精度向上に資するものであり,将来的には燃焼特性の標準化に資するものとなり得る.
|