研究課題/領域番号 |
20H02402
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
牧野 良次 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (90415745)
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研究分担者 |
青木 恵子 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (10546732)
赤井 研樹 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (20583214)
竹下 潤一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (60574390)
熊崎 美枝子 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (70358430)
工藤 隆則 摂南大学, 理工学部, 講師 (80736695)
高野 研一 慶應義塾大学, システムデザイン・マネジメント研究科(日吉), 教授 (00371691)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 経済実験 / 産業事故 / リスク評価 / 経営者 / インセンティブ |
研究開始時の研究の概要 |
日本の産業現場での事故件数は、爆発・火災に限っても直近5年間で280件にのぼる。企業の安全対策実施を左右する経営層は安全に積極関与することを求められているが、彼らにその誘因を与える具体的な方法は明らかになっていない。 そこで本研究では、経営者が安全対策の効果を事後的に検証できない点に着目して、統制された実験環境において経営者役の被験者に成果報酬を与える経済実験下の意思決定データから、経営者の安全対策実施を促進する具体的な方法を探る。 この研究は産業の安全向上に貢献するだけでなく、事故調査に社会科学の方法を導入するという点で社会的意義のある創造性の高い取り組みである。
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研究成果の概要 |
日本の産業現場では直近5年間で280件の爆発・火災事故が発生しており、安全対策投資が不十分であると指摘されている。経営層が安全対策の重要性を認識し、事後検証が可能であれば、安全対策によるリスク低減に積極的に取り組む可能性が示唆されている。しかし実際の現場では事後の対策効果検証が難しく、経営者の安全投資意欲に負の影響を与えている。本研究では経済実験を通じて事後検証可能性、費用対効果情報の事前開示、他社事故情報の周知が経営者の安全投資行動に与える影響を検証した。経済実験の結果から、安全対策の費用対効果が明確に示されることで経営者が積極的に対策を実施することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
安全対策の有効性に関する情報構造が対策実施に及ぼす影響は未解決の問題であり、本研究最大の独自性である。問題解決のためには条件を統制して人間行動に真に影響する要因にアプローチすること、および実社会では実現不可能な仮想的な状況を設定することが必要であり、それは経済実験によって可能となった。産業安全の分野において経済実験を適用しているのは国内では我々の研究グループだけである。安全技術に知見を持つ工学者と人の行動誘引に知見をもつ経済学者との協働によって、エビデンスベースの制度設計を可能とする独自の新しい手法を提示することにつながった。
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