研究課題/領域番号 |
20H02405
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 九州工業大学 (2022) 北見工業大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
川尻 峻三 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (80621680)
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研究分担者 |
渡邊 康玄 北見工業大学, 工学部, 教授 (00344424)
小泉 圭吾 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (10362667)
川口 貴之 北見工業大学, 工学部, 教授 (20310964)
西村 聡 北海道大学, 工学研究院, 教授 (70470127)
中村 大 北見工業大学, 工学部, 教授 (90301978)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 河川堤防 / 超小型間隙水圧計 / LPWA / パイピング / 実大試験堤防実験 / 実大試験堤防 / 湛水実験 / 間隙水圧 / 多地点観測 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,多地点間隙水圧観測を核とした洪水時の堤防決壊リスクの見える化技術の確立を目指す.多地点観測を可能とする小型・低消費電力の間隙水圧計を新たに開発し,この水圧計に低消費電力で広範囲のエリアをカバー可能な通信方式であるLPWAの子機を取り付けた観測網の検討と,間隙水圧の安全閾値を本研究で明示する.本研究の成果から,河川管理者や地域住民は洪水時の堤防決壊に関する直接的なリスク指標を取得可能となり,これは従来の河川水位の情報と併せることで堤防決壊時の「逃げ遅れゼロ」へ大きく寄与できる.
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研究成果の概要 |
近年,堤防決壊が毎年のように発生し,多くの財産・命を奪っている.土によって構築されている堤防では,土中の間隙水圧の増減が堤防の脆弱化の支配パラメータとなる.堤防内の間隙水圧の多地点モニタリングが実現できた場合には,堤防決壊の危険性を直接的に把握可能となる.本研究では,低コスト・低消費電力で設置が容易な超小型間隙水圧計を新たに開発し,基礎的な室内実験と,実大スケールの模型堤防に対する湛水実験を行い,性能評価を行った.その結果,超小型間隙水圧計の測定値は設定した水位に対して+15mm以内の誤差となり,実大試験堤防実験では超小型間隙水圧計と既存間隙水圧計の間隙水圧の上昇過程や最大値は良く整合した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題で開発した低コスト・低消費電力で設置が容易な超小型間隙水圧計によって観測網を確立することで,河川堤防の間隙水圧観測情報を周辺地域に対してリアルタイムかつピンポイントで配信し,堤防決壊リスクを確実に周知することが期待される.こうしたモニタリングシステムの確立は,延長が長い河川堤防の一断面のみでの局所的な間隙水圧観測に留まっていた現状から,広範囲に空間的な間隙水圧観測を可能とするパラダイムシフトに繋がる成果であり,その社会的意義は大きい.さらに,超小型間隙水圧計をため池や港湾施設などの水際地盤構造物にも設置することで,河川堤防以外の地盤構造物の崩壊リスク評価への水平展開が期待できる.
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