研究課題/領域番号 |
20H02421
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
栃木 栄太 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (50709483)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
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キーワード | 変形双晶 / アルミナ / TEM/STEM / その場観察 / 分子動力学計算 / シャッフリング / 双晶 / TEM/STEM / 機械試験 |
研究開始時の研究の概要 |
変形双晶は結晶性材料の主要な変形メカニズムの一つであることが知られている。しかし、変形双晶の形成・成長挙動に関する微視的な理解は未だ十分に進んでいないのが現状である。そこで本研究では、原子分解能を有する透過型電子顕微鏡内でのその場機械試験により、変形双晶の形成・成長に伴う原子構造変化の直接観察を試みる。実験結果に基づいて理論計算等を併用し、変形双晶の形成メカニズムを原子レベルから理解することを目指す。
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研究成果の概要 |
変形双晶は結晶性材料の主要な塑性変形モードの一つであり、荷重負荷によりある結晶面に対して鏡面あるいは180°回転対称の組織ができる現象である。変形双晶は双晶転位と呼ばれる線状欠陥の運動により成長するものと考えられているが、その詳細については未だ明らかにされていない点が多い。本研究では、研究代表者が前身となる科研費プロジェクトにて収集した知見をもとにアルミナセラミックスにおける変形双晶のメカニズムを解析し、その素過程を明らかにした。また、新規の透過型電子顕微鏡用その場荷重負荷システムの開発研究を進め、変形双晶の形成・成長過程の原子分解能直接観察を実施できる実験系を構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、アルミナセラミックスにおける変形双晶の素過程は、双晶転位の運動に伴いAl原子2個、O原子3個からなる原子集団が互い原子間結合の組み換えを最小限に保ちながら協調的に運動するというものであることが明らかとなった。このような原子集団の協調的な運動は化合物結晶における変形双晶に共通した現象である可能性が高く、変形双晶メカニズムを検討する上で重要な知見と言える。また、新規に開発した透過型電子顕微鏡用その場荷重負荷試験システムは変形双晶の成長過程を原子レベルにて観察できる性能を有しており、今後、変形双晶に関する実験的研究の進展が期待される。
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