研究課題/領域番号 |
20H02426
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26010:金属材料物性関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
波多 聡 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (60264107)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 転位 / 電子顕微鏡 / 電子線トモグラフィー / 回折 / その場観察 / 三次元 / ステレオ法 / 焼結 / 圧縮センシング / 変形 / 加熱 / 深層学習 / 画像処理 / 高速撮影 / STEM / 三次元観察 / その場変形 |
研究開始時の研究の概要 |
転位を変形子とした結晶塑性変形の素過程は今も研究対象であり、強度と延性を追求した新しい材料ほどわからないことが多い。ただし、変形後の転位を観ても結晶塑性や転位ダイナミクスの本質はわからないという見方は根強く、転位その場観察技術の向上は結晶塑性研究が次のステージに進むために不可欠と考えられる。しかし、転位のその場観察には様々な技術的課題があり、静的な観察に比べて実験が成立し得る条件が狭い。 本研究では、転位その場観察の技術的課題を克服し、電子顕微鏡のその場観察とトモグラフィー観察を組み合わせて、転位のダイナミクスを三次元可視化する「その場変形転位トモグラフィーシステム」を開発する。
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研究成果の概要 |
透過型電子顕微鏡法による電子線トモグラフィーとその場観察を組み合わせることにより、結晶中の転位の動的挙動を三次元可視化するための手法を開発した。セメンタイトを球状化させた伸線パーライト鋼の薄膜試料に応力を加えながら、セメンタイト粒子をバイパスする転位の動きを繰り返しET観察することで三次元同画像を得た。この際、オーストラリア モナーシュ大学のT.C.Petersen博士らと協力して、転位の可視・不可視を左右する入射電子の回折条件を敢えて一定に保たなくても、ET観察における多量撮像の利点を活かせば転位の三次元可視化が可能であることを証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電子顕微鏡による動的三次元観察は、材料組織シミュレーションとのデータ同化が可能である点などから注目されつつある観察手法である。ただし、結晶欠陥である転位の動的三次元観察は、結晶性試料に対する電子線の入射方位が変わると転位が見えたり見えなくなったりするため、技術的な課題が多く、実現が遅れている。本研究では、転位が見える回折条件を保つという従来法に加えて、回折条件を一定に保たない代わりに多数枚の連続傾斜像を撮影するという方法により、塑性変形で結晶が回転しても特定の転位を三次元可視化し続けることが可能となる手法を開発し、転位の動的三次元観察が可能であることとその適用範囲拡大の可能性を実証した。
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