研究課題/領域番号 |
20H02432
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中島 章 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (00302795)
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研究分担者 |
砂田 香矢乃 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所, 光触媒グループ, 研究員(任期有) (20311433)
磯部 敏宏 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (20518287)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | ウイルス / 酸化物 / 希土類 / 菌 / バクテリオファージ / 抗ウイルス / ペロブスカイト / モリブデン / 溶出 / ヨウ素酸 / La / Mo / 複合酸化物 / 新型コロナウイルス / 薄膜 |
研究開始時の研究の概要 |
最近、申請者らはモリブデン酸複合酸化物群が、暗所で長期に亘りTiO2光触媒並みの抗ウイルス活性を発現することを見出した。本研究はこの発見に基づき、この材料の性能を極限まで高めることを目的とする。この目的を達成するため、①これらの材料が抗ウイルス活性を発現する機構を材料科学的に解明し、②これらの材料の抗ウイルス活性に及ぼす構造・組成の影響を明らかにする、そして③得られた知見を基に世界最高性能の抗ウイルス材料を創製する。本研究の成果は、人類の近未来の脅威であるウイルス関連被害への対策技術となるとともに、大規模自然災害の被災地等における衛生環境の確保にも貢献できる。
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研究成果の概要 |
La2Mo2O9(LMO)のLaをCeで置換した試料が、新型コロナウイルスに対して高い抗ウイルス活性を示した。LMOの多孔質透明薄膜を作製する手法を開発した。 CuとMoの複合酸化物が抗菌・抗ウイルス・抗真菌活性を発現することを示した。Laを固溶させたCeO2が、抗ウイルス活性を発現することを見出した。LaMnO3とLaCoO3は溶出量の少ない抗菌・抗ウイルス材料であることを示した。SnO2-MoO2固溶体は、ウイルスや真菌に高い活性を示した。菌とノンエンベロープウイルスに対しては特定イオンが強い影響を持ち、疎水性のエンベロープを有するウイルスに対する効果とは異なることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、申請者らが発見したモリブデン酸複合酸化物群という材料をプラットホームにして無機材料分野の研究者とウイルス関連分野の研究者が互いに協力・補完しあうことで、無機材料科学とウイルス関連分野の境界への新たな知見を付与したことである。本研究の成果はウイルス対策における新たな知見を与え、ワクチンだけに頼らない、人類がウイルスに対する新たな盾を手にするという点において、社会的意義も高い。さらに、近年わが国で頻発する大規模自然災害等の被災地での衛生環境確保の面においても、本研究の成果は有効な材料技術を与えることになる。
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