研究課題/領域番号 |
20H02436
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
中山 将伸 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10401530)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 新材料創出 / 材料データベース / マテリアルズ・インフォマティクス / 材料地図 / オートエンコーダー / 組成 / 構造 / Liイオン導電性 / 材料シミュレーション / 材料インフォマティクス / データサイエンス / セラミックス材料 / セラミックス / 新材料探索 / 組成記述子 / 組成・構造地図 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、情報学と材料学を連携させた「マテリアルズ・インフォマティクス」により、既存の無機固体材料データベースには登録されていない新材料を効率的に探索する方法論を開発する。このようなツールが完成すれば、全く新しく高機能な材料の発見を合理的かつ効率的に推進することができる。具体的には以下の2つのスキームの作成を目指す。 1) 組成の情報のみから無機固体材料の存在や機能を判定できるアルゴリズム作成 2) 材料機能と組成・結晶構造の関係を可視化する材料地図の製作 以上により多くの材料研究者が、いわゆる新種で優れた機能を併せ持つ材料を「材料地図」 を眺めながら直感的に探索し発見に結びつけることができる。
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研究実績の概要 |
2022年度は前年度までに作成したオートエンコーダーによる材料地図の評価手法を、含Li酸化物700件程度に対して適用した。さらに、リチウムイオン導電性を考慮した組成・構造の関係を示す材料地図作成を行った。Liイオン導電性を加味しない、組成と構造情報による材料地図作成において、オートエンコーダーの記述子再現性は比較的高かった。一方で、Liイオン導電性を出力層に組み入れた場合には、オートエンコーダーの再現性が大きく低下してしまった。これは、現在用いている記述子(組成・構造)では、そもそもLiイオン導電性の回帰分析が困難な状態であることに由来すると考えている。今後、優れた記述子の設計が必要である。ただし、リチウムイオン伝導性予測能の損失関数に対する寄与を減らすことにより、組成・構造記述子の再現性向上を確認することができた。トレードオフ関係の最適化をすることで、一定程度有用な材料地図作成が可能になると考えらえる。 更に、高いリチウムイオン導電性で知られるペロブスカイト、ガーネット、ナシコン型構造を有する各種組成の化合物をベンチマーク材料として、材料地図中での位置を表示させた。その結果、構造軸はLiの酸素に対する配位数が寄与していることが分かった。組成についてはLi濃度と剛相関を示すことが分かった。以上から、Liイオン導電性を俯瞰的にみるための材料設計指針を俯瞰的に考察することができた。また未知材料領域も明確化しており、今後はこの領域での材料発見のスキームを(研究者の直観以上の方法論で)開発することが求められる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4か年計画の第3年次までに、ほぼ申請書に記載した事項は研究開発を終えることができた。ただし、既存の記述子(計画外)の表現力不足で実用性に対して今一歩の状況である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の計画外ではあるが、記述子の改良によりこれまでに作成してきた組成記述子予測、材料地図活用による新材料発見が可能になると思われる。今一度、提案されている材料記述子をリビューし、本研究で作成した方法論に組み込むことを検討している。
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