研究課題/領域番号 |
20H02457
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小山 元道 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (20722705)
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研究分担者 |
佐々木 大輔 久留米工業高等専門学校, 材料システム工学科, 助教 (50772498)
奥山 彫夢 木更津工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (50804655)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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キーワード | 金属疲労 / 水素脆化 / そのば観察 / 電子チャネリングコントラスト / き裂 / その場観察 / 結晶塑性有限要素法 / 元素移流拡散解析 |
研究開始時の研究の概要 |
微小疲労き裂進展を理解するため、三つの課題を解決する。①き裂先端からの転位射出とその後の転位組織形成のその場観察、②き裂面形成に要求される空孔の密度分布の定量化、③き裂先端近傍の転位易動度に影響する侵入型固溶元素の拡散挙動解析、の三つである。まず①について、“電子チャネリングコントラスト法による転位運動その場観察”の手法を適用する。この観察事実を参考に、“結晶塑性有限要素法による空孔密度分布計算”の手法を確立する。そして、“固溶元素拡散解析を有限要素法による弾塑性解析と連成”させるで、固溶元素分布、転位運動距離ならびに転位運動の不均一性の見積もりを行い、その場観察結果をより定量的に解釈する。
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研究成果の概要 |
鉄鋼材料、Ni合金ならびにTi合金を対象にその場観察および有限要素法の新機軸構築に取り組んだ。特には、以下4つにを成果として達成した。①応力負荷中のその場電子チャネリングコントラストイメージング(ECCI)法の技術構築、②BCC結晶への疲労負荷を対象とした、結晶塑性有限要素解析による鋭い切欠き近傍の空孔密度分布解析の実現、③元素移流拡散-有限要素法連成解析による硬化に由来した変形局所化現象の再現、④ECCI法およびその場二次電子線観察の併用によるラスマルテンサイト組織によける微視的疲労き裂進展の組織依存性の解明、の4点である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の大きな成果は金属疲労に繋がる現象の観察および計算解析の技術構築である。金属疲労は試験片形状依存性が大きく、特にき裂進展についてはバルク試料での解析が要求される。この観点から、その場ECCI法の構築はバルク試料での観察を実現しており、疲労現象にとらわれないバルク試料に対する広範な応用が期待される。また、金属疲労では応力、水素、空孔といったそれらの分布を可視化することが極めて困難である因子が試料内部で発達し、疲労損傷発達に影響する。実験的には得ることが非常に困難なこれら因子に関連するパラメーターを有限要素法の応用で実現したことも、金属疲労研究全般で利用が検討される成果であると考える。
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