研究課題/領域番号 |
20H02458
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
正橋 直哉 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20312639)
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研究分担者 |
森 優 東北大学, 大学病院, 講師 (70634541)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | インプラント / 生体親和性 / 陽極酸化 / TiNbSn / 光触媒 / 耐摩耗性 / 抗菌性 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者グループは,細胞毒性の無い元素からなり,低ヤング率と高強度を備えるTiNbSn合金を開発し,人工股関節用ステムへの適用を目指した臨床治験を完了した.本研究は,TiNbSn合金に生体親和性を付加するために骨新生を促進する「骨伝導性」と,手術前の人工関節の重篤な合併症である感染防止の「抗菌性」を付与するため,陽極酸化TiO2をコーティングし,その有意性を実証する.これらの機能の付与には,TiO2の結晶性向上・多孔質化・親水化・バンド構造改質が有効とのモデルを立て,電気化学条件を制御して成膜する.新しいインプラント材料を提供することで,安全なインプラント治療を確立し,学理の解明と深化を目指す.
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研究実績の概要 |
応力遮蔽の抑制を目的に申請者グループが開発した低ヤング率のTiNbSn合金にバイオ機能を付与するために陽極酸化法で酸化膜をコーティングし、実用のTi6Al4V合金にも同様の陽極酸化処理を施して、その機能の比較検討を行った。その結果、TiNbSn基板陽極酸化膜は空孔密度が低い多孔質状のルチル型TiO2を主相とするのに対し、比較材のTi6Al4V基板陽極酸化材では空孔密度の高い層と低い層が交互に出現するグラッシーなアナタース型TiO2を主相としていた。また、両基板上酸化膜とも、TiO2以外の基板合金元素の酸化物を含んでおり、その分率は比較材ではAlとVの酸化物が予想値より多く、TiNbSn基板ではNb酸化物が予想値より多かった。バイオ機能として、黄色ブドウ球菌を用いた抗菌特性もメチレンブルー色素の光分解性能も、そして疑似体液中でのtribocorrosion特性も、TiNbSn基板陽極酸化膜がTi6Al4V基板陽極酸化膜よりも優れていた。この原因として、光誘起機能については二つの機構を提案した。第一はTiNbSn基板を用いた陽極酸化膜では絶縁破壊によるスパーク放電が発生した結果、陽極酸化膜中の格子欠陥量が少ないため励起種の再結合が抑制されたことである。そして今一つは、TiO2と合金元素酸化物との間のバンド構造で、Ti6Al4V基板上陽極酸化膜では、価電子帯の上端電位が最も高く伝導帯の下端電位が最も低いV2O5に励起種が集まり、再結合はおこり易いのに対し、TiNbSnでは正孔は価電子帯の上端電位が最も低いNb2O5に、電子は伝導帯の下端が最も高いSnO2に移動し電荷分離がおこり易く、再結合がおこり難いことである。一方、tribocorrosion特性は高硬度のルチル相と高い基板との密着強度に起因すると結論した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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