研究課題/領域番号 |
20H02462
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高田 尚記 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (70432523)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | アルミニウム / 耐熱合金 / 熱力学計算 / 組織制御 / 高温強度 / 高温クリープ / アルミニウム合金 / 析出 / クリープ / 金属間化合物 / 高温クリープ強度 / 計算状態図 / 合金設計 / 熱処理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,耐用温度200℃を超える鍛造アルミニウム(Al)基超合金の設計原理構築を長期的な目標とし,申請期間(3年)において,温度200℃以上(実機使用想定温度)における高温強度とクリープ破断寿命双方に優れるAl基超合金の設計と組織制御を試みる.我々が提案したAl-5Mg-3.5Zn (at.%) 3元系モデル合金の粒内及び粒界の析出(速度論,形態及び界面構造)に及ぼす第4合金元素(Cu, Ni)の影響を調査する.また,高温強度・クリープ破断寿命及びそれらに及ぼす第4合金元素(粒内析出・粒界析出)の影響を解明する.
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研究成果の概要 |
本研究は,耐用温度200℃を超えるアルミニウム基合金の設計原理構築を見据え,200℃以上の高温における強度とクリープ破断寿命の両立に着目し,設計合金の強化相(金属間化合物相)とその形態に及ぼす第4合金元素(今回はCuとNiに着目する)の影響を解明する.また,実験的に同定したAl-Mg-Zn-Cu-Ni5元系の相平衡に基づく熱力学計算を用いて,Al-5Mg-3.5Zn-2Cu-2Ni(at.%)5元系合金を設計した。本設計合金は実機想定温度である200℃にて高い高温強度を有するとともに,基本合金である3元系合金の10倍以上のクリープ破断寿命を示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,耐熱材料として信頼性の高いNi基超合金に着想を得た「熱力学的に安定な高体積率の金属間化合物相を用いた強化原理」を基に新たな合金開発を実施した.申請研究の設計合金は既存の合金と同じ成分系かつ希少元素を不要とするため,従来のAl合金の製造プロセスで容易に製造可能である.また,耐用温度200℃以上のAl合金の適用は,ターボチャージャのインペラ部材に留まらず,その軽量性から様々な耐熱部材(ガスタービン後段側のコンプレッサーブレード等)を代替できる.そのため,長期的な目標に掲げる「Al基超合金の開発」分野自体が高い創造性を有し,潜在的に大きな産業的波及効果を持つと考えられる.
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