研究課題/領域番号 |
20H02463
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中谷 真人 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (30725156)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
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キーワード | エネルギーハーベスティング / 熱電変換 / ゼーベック効果 / ナノクラスター / フラーレン / 金属酸化物 / 環境発電 / エネルギーリサイクル / ナノクラスター材料 / フレキシブルエレクトロニクス / マイクロスケール計測 / ウェアラブル素子 / 熱電材料 / 複合材料 / 巨大熱電効果 / 真空共蒸着 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,電子機器は“周辺に配置するモノ”から“ヒトが身に着けるものモノ”に変貌しようとしており,このような人体装着型素子の実現と普及は,モノのインターネット(IoT)を基盤とする近未来の安心・安全な社会を実現するための鍵とされている。ヒトの体温から電力を取り出す高性能熱電変換素子は,様々な人体装着型素子の独立電源としての利用価値が高い.本研究では,フラーレン分子と金属酸化物ナノクラスターを複合化させることで「ナノクラスター集積固体」と呼ばれる新材料群を創製し,人の体温から電力を取り出すことが可能な柔らかい熱電変換素子を実現することを目的とする.
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研究成果の概要 |
C60薄膜は既存の無機熱電材料に比べ数100倍の大きなゼーベック係数を示すため、次世代フレキシブル熱電材料として期待されているが、実用化には出力因子の向上とP型/N型特性の制御が必須である。本研究では、真空共蒸着法によってC60と三酸化モリブデンナノクラスターからなるナノクラスター集積固体薄膜が形成できること、および、この複合薄膜がC60薄膜に比べて約100倍大きな出力因子と高い熱的安定性を示す高性能フレキシブル熱電材料として機能することを世界に先駆けて発見した。この複合薄膜はP型特性を示すが、加熱処理によってN型特性が発現するため、実用的なπ型熱電素子の主構成要素としての有用性も示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
炭素ナノクラスター(C60)と三酸化モリブデンナノクラスターから構成されるナノクラスター集積固体薄膜の開発に世界で初めて成功した。このナノクラスター固体は、主構成要素であるC60薄膜と同等の巨大ゼーベック係数を示しつつ1000倍大きな導電性を有するのでC60薄膜に比べて約100倍大きな出力因子を示すことが明らかになった。この複合薄膜では、組成比や加熱処理温度を調整することでゼーベック係数、導電率およびP型/N型特性を制御可能であるので実用的なπ型熱電変換素子への応用にも適しており、近未来のIoT社会を支える人体装着型ワイヤレス電源の実現に資することが期待される。
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