研究課題/領域番号 |
20H02465
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宮岡 裕樹 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 特定教授 (80544882)
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研究分担者 |
圓谷 貴夫 熊本大学, 大学院先導機構, 助教 (00619869)
礒部 繁人 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (10564370)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 構造・機能材料 / 化学物理 / 物性実験 / 電子顕微鏡 / 理論計算 |
研究開始時の研究の概要 |
アンモニア(NH3)や窒化ガリウム(GaN)に代表される機能性窒化物は,安定な窒素分子(N2)を解離するため高温高圧条件が必要とされるのが一般的であるが,より低温低圧での合成が可能となれば,エネルギー消費を抑え,且つ低コストに窒化物を製造することができる。リチウム(Li)合金は,窒素分子を室温でも解離しうるが,その詳細については理解されていない。本研究では,このLi合金を用いた「活性窒素」生成/利用技術について,特に,窒素分子解離能発現メカニズム,及び原子拡散のダイナミクス,を実験的及び理論的アプローチにより理解することを目的する。
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研究成果の概要 |
本研究では,Li合金及びNa合金を用いた「活性窒素」生成/利用技術について,特に,窒素分子解離能とその発現メカニズム,アンモニア合成特性を実験的及び理論的手法により理解することを目的とした。窒素解離能と物性の相関性を調査した結果,Li合金はLiの化学状態,Na合金は熱力学的安定性が窒素解離温度に影響を与えることが明らかになった。また,Li-14族合金系を三元系とし組成を変化させることで,窒素解離能等を制御できる可能性を見出した。LiHを用いたNH3合成について,化学的に安定な物質を混合することで反応速度を改善することに成功した。さらに,Na窒素固溶体を介したNH3合成プロセスを新たに見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により,Li及びNa合金は,貴金属触媒を必要とせず,大気圧条下でNH3合成が可能であることがわかった。また,これらの窒素解離能と相関性を示す物性を解明し,その制御方法についても検討した。以上の成果は,アルカリ金属を用いたNH3合成プロセスの設計指針となる。LiHを用いたNH3合成については,本研究にて反応速度制御メカニズムが明らかになっており,実用的な研究への展開が期待される。さらに,これまでにないNa窒素固溶体を介したNH3合成手法が見出されており,本系における新たな展開として学術的に興味深いだけでなく,資源的に優位なNaを利用する点で実用面での発展も期待できる。
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