研究課題/領域番号 |
20H02466
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
光原 昌寿 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (10514218)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
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キーワード | 高Crフェライト系耐熱鋼 / 溶接継手 / 溶接熱影響部 / クリープ変形 / ラスマルテンサイト / 電子顕微鏡 / 結晶方位解析 / デジタル画像相関法 / フェライト系耐熱鋼 / クリープ / 組織解析 |
研究開始時の研究の概要 |
火力発電ボイラ蒸気配管の主要構成部材である高Crフェライト系耐熱鋼の使用寿命は、わずか数mmほどの幅しかない溶接熱影響部のクリープ強度によって支配されている。本研究では、多角的組織解析手法により溶接熱影響部の微細組織を明確に捉えつつ、その部分の局所的なクリープ変形挙動を直接的に評価する。それらの結果から、溶接熱影響部のクリープ変形機構・破壊機構の学理を構築する。
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研究成果の概要 |
本研究では、多角的組織解析手法によりHAZの微細組織を明確に捉え、デジタル画像相関法と高温クリープ試験法を組み合わせることによりHAZでの局所クリープ変形挙動を直接的に評価した。母相であるマルテンサイト組織と、組織中に分散する析出物を定量評価し、HAZにおける微細組織の定量的区分法を確立した。この定量区分法を、クリープ変形後の試料に応用することで、ボイドの集中的な発生箇所を特定し、それが炭化物の析出密度と密接な関係性を持つことを明らかにした。また、本研究で開発したDICクリープ試験法により、溶接継手内においてクリープひずみが集中する箇所を具体的に特定することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高温用構造材料の多くは、構造物の中に組み込まれる際に溶接を必要とする。溶接継手の高温での寿命は、溶接時に形成する溶接熱影響部によって支配され、強度が半分ほどに激減することもある。したがって、溶接継手の高温変形機構とその破壊機構を理解し制御することは、安全安心に長時間にわたって材料を使用する観点から極めて重要である。本研究で確立した組織区分法と局所変形挙動解析手法は、溶接継手の変形と破壊の学理を議論する上で貴重なデータを創出できる有用な実験手法であり、学術的意義・社会的意義が高い。
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