研究課題/領域番号 |
20H02469
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
高際 良樹 国立研究開発法人物質・材料研究機構, エネルギー・環境材料研究拠点, グループリーダー (90549594)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
|
キーワード | 温度差発電材料 / 発電モジュール / 合成プロセス / 組成探索 / 実証試験 / 熱電材料 / 電子状態計算 / フォノン計算 / 機械学習 / FAST材 / 低温廃熱 / 独立電源 / 低温排熱 / FAST材料 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は超スマート社会の実現・加速に欠かせない各種センサの駆動を支える電源技術の構築に向け、室温動作を可能とする高出力温度差発電材料の創製およびデバイス化応用を目指す。本研究提案の根幹をなす「究極的に低コストかつ無害な」鉄・アルミニウム・シリコン系温度差発電材料(FAST材料)は、社会実装に資する(1)熱的・化学的安定性、(2)機械強度、(3)資源性・コスト・リサイクル性、(4)低プロセスコスト、(5)耐酸化性、(6)加工性を兼備する革新的な新材料である。計算科学・実験・機械学習を相補的に用いた統合型材料研究により、室温近傍の僅かな温度差を利活用する高出力FAST材料を創製する。
|
研究成果の概要 |
本研究課題の目標は「鉄・アルミニウム・シリコン系新規温度差発電材料(FAST材)」を基軸として、ビスマス・テルル系既存材料に匹敵する出力特性を達成し、室温での微小温度差発電を可能とする新材料を創製することである。冷却速度が比較的早く、量産化がある程度可能な傾角鋳造法にて合成したP型およびN型FAST材の精密組成制御を行い、熱電特性を最適化した。その結果、P型・N型ともに130μV/Kを越える高いSeebeck係数が得られ、結果としてこれまでよりも高い電気出力因子が得られた。さらに、FAST材を用いた高集積温度差発電モジュールの発電試験や実証試験を行い、実装化に向けた課題を抽出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
温度差発電技術を普及させるためには、コスト・安全性の観点から、既存材料であるビスマス・テルル系材料を代替する新材料が必要である。室温近傍の低温排熱を利用するモジュールの普及が進めば、様々なセンサーを駆動させることにできる自立電源としての一翼を担うことが可能になる。社会実装に至るためには材料の資源性および生産コストも重要項目である。このような観点から、地殻中に含まれる元素で第1位の酸素を除く上位3つの元素である鉄・アルミニウム・シリコンのみから構成されるFAST材は、既存材料を代替する材料として大きな可能性を秘めており、安全・安価な材料として供給できる点に大きな社会的意義がある。
|