研究課題/領域番号 |
20H02471
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26040:構造材料および機能材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
任 暁兵 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 上席研究員 (50292529)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 圧電材料 / 強誘電材料 / 相転移 / 非鉛圧電材料 / 強誘電体 / 強誘電相転移 / PZT代替 |
研究開始時の研究の概要 |
兆円規模の市場を有する圧電材料は現在危機的状況にある。「圧電の王様」とも呼ばれる優れた圧電特性を有するPZT材料は半世紀以上に亘って圧電市場を支えてきたが、有害な鉛を含有するため環境規制の対象になっている。しかし、圧電特性と安定性においてPZTを代替できる高性能非鉛圧電材料はまだ現れていない。本研究では、申請者らが発見した圧電特性を大きく増幅する「三重点MPB機構」及び特性の安定性を向上するdiffuse ferro-ferro相転移機構を非鉛圧電材料系に応用し、圧電特性と安定性の両方ともPZT材料に匹敵する非鉛圧電材料を創出し、PZTの代替を目指すことを目的とする。
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研究成果の概要 |
1.「三重点MPB機構」を裏付けする理論を提唱し、MPBが傾斜している非鉛圧電材料の圧電特性を向上する有効な方法を発見し、高性能非鉛圧電材料の設計指針を提供した。2、非鉛圧電材料に長時間時効によるドメインを安定化で圧電特性の安定性問題を解決した。3、三重臨界点をもつ非鉛圧電材料において高い電歪効果及び小さいヒステリシスを同時に実現した。4、新規非鉛圧電材料の組成最適化と特性評価と通じて、ソフトPZT(d33が600pC/N)とハードPZT(d33が250‐300pC/N、Qmが500‐800)に同等な圧電特性を持つ高性能非鉛圧電材料の創製に成功し、特許出願する予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
半世紀以上に亘って巨大な圧電産業を支えてきた圧電材料の「優等生」であるPZTは有毒な鉛を含有するため、世界規模の環境規制で使用禁止される予定である。それによって、これまでPZTに依存してきた巨大な圧電産業は大きな危機に直面しており、PZTの圧電特性及び特性の安定性に匹敵する高性能の非鉛圧電材料の開発は喫緊の課題となった。 本研究では、申請者がこれまでの重要な成果を踏まえ、非鉛圧電材料開発に関する原理的な難問を解決し、圧電特性と安定性の両方がPZTに匹敵する非鉛圧電材料の創出に前進し、PZTを代替できる材料を提供した。
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